「クライミング」カテゴリーアーカイブ

県体壁の夜に

2023.6.14(水) 県体壁 28

梅雨に入り週末は満足に外岩へ行けなくなった。
こんな時に水曜日の県体壁はコンディション維持に最適だ。
今夜は5~6月で3回目になった。
ところで、コンディションの維持が目的なので5.10a~bを2本登って、疲れたところで最後に激ムズの5.10c(茶色)で力を使い切り、早めに帰るというパターンを2回ほど繰り返していた。
すると、「いっせいさんは、どうも5.10cが登れないそうだ・・・」というウワサ広まっていた。
う~ん、これはイカン。
そこで今夜は1発目に5.10c(茶色)からトライした。
結果は2テンションで終了点まで行った。(やはり難しい・・・)

その後は山下さんの登り方を参考にしたりしながら十分に腕が回復するまで待った。
ビデオ係を頼んで本日2本目の本気トライ。

結果は核心部の茶色のボテに右足ヒールを掛けて休むテクを見せながらRP出来た。
最後にクールダウンで5.10a(黄色)を登って今日も早めの終了。

県立体育館からフルオープンで走った。
気温は24度、西回りバイパスを80km/hで走ると軽く汗をかいた体に夜風が気持ち良い。先日亡くなられたSさんを偲んで「エレキバン」をまた登りたいと思った。
自宅に帰りつくと門の真ん中で猫のシマジロウが寝て私を待っていた。

庭のアジサイが満開を迎えている

カニのハサミ岩:新ルート3本

2023.6.10(土) カニのハサミ岩 61

カニのハサミ岩に澤田・川津ペアが新ショートルートを3本拓いた、アプローチの林道が開通した、そんな話が伝わってきたのでさっそく行ってみた。
ガイドは開拓者の澤田さん。

車は「砂防ダムコース」の終点に停めた。
つまり山歩き30分が短縮された。
少し手前には5~6台停められる駐車スペースもある。

林道開通と同時に植林の伐採も始まっている。
土日も作業は行われていて、邪魔にならないようにしたい。

新ルートは第3ルンゼ「ガバたちのさえずり」の右側になる。
3本並んでいて、二日前の大雨でも意外に新ルートは濡れていない。

① スパークリング・フレーク(5.10a) MOS

スパークリング・フレークを登る澤田さん

フットジャムなども使い、5.10aにしてはちょい辛目かもしれない。

② カニのいろいろ(5.10c) MOS

カニのいろいろ(5.10c 20m B9)

ここから数メートルの垂壁がつらかった。
ギリギリのオンサイト。

③ ハイキングモード(5.10c) MOS

カメラの都合でモノクロになった

やさしいルート名とは裏腹に澤田さん渾身の1本。
写真の左側にあるカンテが逆層でしかもその先のコーナーが濡れていたのであやうく滑りそうになった。上部は快適。
「5.11aでもいいのでは・・」と進言したが厳しめの5.10c。
もうここは一日楽しめるエリアになっている。

この後、濡れていないルートを探して赤壁エリアへ。
④ ロドキャン(5.11b) NG

3~5ピン目の核心部でテンション2回!
上部の大フレークから薄かぶりの部分は快適
ロドキャン(5.11b)は内容とロケーション共に最高の1本

⑤ remember (5.11a)   R(リピート)
2ピン目が相当酷使されているようで、ハンガーが動いていた。
スパナを持参されている方は締めていただけるとありがたい。

小雨が落ちてきたので早じまいとした。
帰り道、昆虫を見つけながら帰った。すると・・・。

スズキハラボソツリアブ
ナナフシ (何匹もいた)
八方ヶ岳林道入口付近

朝方は何事もなかった林道入口付近で落石事故。
たぶん、岩はお昼ごろに落ちてきたと思われる。
なんとか二人で動かして車が通ることはできた。
最悪の場合、直撃もあったろう。
Uターンすれば、山越えして菊鹿町・阿佐子の方へ抜けることもできる。

耶馬渓:中の迫岩峰群

2023.6.4(日) クライミング 5 「中の迫岩峰群」

今が旬の耶馬渓:中の迫岩峰群に行ってきた。
6:30 我が家を乗り合わせて出発。
菊池~日田~青の洞門の先から右へ、約2時間30分で着いた。
ルートは澤田さんの描いた地図やyamaji88さんのヤマップ記録などを参考にした。

尾根に出ると、北に八面山が近い。
岩稜帯の下りは懸垂下降を何度か行う。

どうもこの写真は慣れぬバリエーションルートでATCを落としたところを隠し撮りされたものらしい!

今回のメインはあのシンボル峰(P3)を登る。

北側の易しいところ(5.10a B6 45m)から登る。
トップはアリキチさん。私はセカンドでマイクロトラクションを利用。

途中で大きな青大将ににらまれてしまった。ここの主だろう。

ピークから懸垂下降すると、途中で岩窟に入ることができる。
新人ながらしっかり様になっているKcoさん。

もうけっこうお腹いっぱいなのに、ここからが本当のメインである岩峰群(P4~P8)の縦走。

やせ尾根の厳しい環境の中でとても元気そうな多肉植物があった。

P8で40mの懸垂下降をしてクライミングは終了。
後は地図とGPSと山カンを頼りに道なき道を車までもどる。
全行程6時間50分、移動距離は3.2km。

けっこう暑くて汗をかき、帰りの車の中で右足がつった。

今日は「あそ望」の仲間と。
【追記】
装備:50mのダブルロープ×2本、QDは各自×4本以上、
一般的なアルパイン装備の他に長袖シャツ、捨て縄、のこぎりはあった方が良い。

賑わう南面エリア

2023.5.21(日) 日向神:南面エリア 181

5月20日(土)の夜は、日向神:正面壁「スピンネフリーライン」を登って疲れてはいたが、今が旬の「ホタル」を見に行った。
コロナ禍でホタル観賞も忘れ去られたのか、見物人は私たち以外誰もいない。
夜8時ごろが一番ホタルが舞う。人懐っこくてホタルの方から寄ってくる。

5月21日(日)
ゆっくりと日向神:南面エリアへ向かう。
ハートエリアと合わせると14人はいて、良い賑わいをみせている。
私にとって初めてのルートがたくさんある。

掃除中のK1さん

K1さんがブロワーで掃除中の隣近辺を登った。
どのルートも「出来立て」で砂埃が乗っている。

① 真珠の首飾り(5.11a) MOS

真珠の首飾りを登るゆきえさん

② 甘く危険な香り(5.11a) NG
③ 甘く危険な香り(5.11a) RP

甘く危険な香り(5.11a)を登るゆきえさん

④ カワセミ(5.10aぐらい) MOS
⑤ ヤマセミ(5.10aぐらい) MOS

ヤマセミ(5.10a)を登る私

⑥ 風薫る(5.10b) MOS
⑦ 万緑 (5.10a) MOS

このエリアは南面ではあるが、ビレイヤーは日陰に入る。
今日も一日クライミングを楽しめた。

日向神:正面壁 スピンネフリーライン登攀

2023.5.20(土) 日向神:正面壁 180

1982年8月、「奥日向神岩スピンネフリーライン」はベルグ・スピンネの菊池・福原ペアによって人工主体だった正面壁にフリーのルートが拓かれるというエポックメイキングな出来事だった。(岩と雪92号に掲載)
それから40年。
風化しかけたこのルートが2023年、山崎・福原ペアによってリボルトされた。
そこでこの正面壁に「ブルースカイ」というルートを拓こうとしている高田大輔さんから「オガタさん、一緒に登りませんか?」という誘いを受けた。
山崎タケシさんをガイドにして登ろうかと思っていたら「オレのガイド料は高いぜ!」と言われ、高田さんの誘いに乗った。

星原峠のシャクナゲは満開だった。

前日まで雨が降った。
そのため、乾きがあまり良くない日向神は静かな休日だった。

蹴ほぎ橋から見た正面壁。
取りつきが湿っているのでゆっくりと10時頃登り始めた。
1P 前半(高田) 下部が湿っているのでスパシーボ(5.9)から登る。
   後半(緒方) この辺りからよく乾いていて快適(5.10d)

1P後半をフォローする高田

2P (高田) バンドを左上して頭上クラックから段差を越える(5.11a)
トップの緊張感が伝わる。
3P (緒方) かなり頭を使うスラブ(5.10c)
4P (高田) 折れそうな石の横柱に乗り、ハングを越えて厳しい左トラバース(5.10d)

ハングを豪快に越える高田

この後のトラバースは高度感があった。
私はこのピッチがルートのハイライトに感じた。

5P (緒方) 核心の大フレーク(5.11b)

大フレークを越えた緒方

ハンドサイズのクラックが中にあるもののジャミングがきまらない。
ここで初めて落ちた。(疲れも出てきた)
このフレークはレイバックで行くのがセオリーだ。

6P (高田) せまい凹角から段差を越える。(5.11a)
この抜け口は態勢が非常に悪い。
ボルトの位置からしてライン取りが違ったかもしれない。

7P (緒方) 35mの草付きトラバース。(5.8)
足が痛くなりシューズをぬいでビレイ。

この後、草付きに入る

8P (高田) 左へのトラバースは続く。(5.10d)
草付きがなくなり掃除も不備で厳しい。
この後、樹林帯のフィックスロープを登り、赤いテープの先にある懸垂下降地点で昼食。午後2時18分だった。
水分とエネルギー不足で右腕がつり始めていた。

懸垂下降は右斜め下へ2回で6P終了点に達する。

終了点から見た日向神ダム湖と新緑
こんな終了点がいたるところに在る

この後は空中懸垂をまじえながら「元気です」ルートを懸垂4回で下まで。
ロープは60mシングル1本使用。
基本的にこのロープで降りる設定で終了点が設置してある。
しかし上部の斜め方向への懸垂は時間がかかるしリスクもあるので、歩いて下りる方法も考慮したい。

今日、ついていたのは午前中だけでも涼しかったことだろう。
これからの暑い時期は心身ともに厳しくなる。
初登が8月だったことは驚愕に値する。
(タケシさん曰く、40年前の夏は今ほど暑くなかった・・・)

BMIがやばい!

2023.5.17(水) 県体壁 27  体 16

2週連続の県体壁、夕方の市内の混雑にも少し慣れた。

しかし、県体壁が混んでいる。
大人、子ども、保護者合わせて20名は下らない。
① 右 青■(5.9) リピート
② 中 緑 (5.10b) リピート
③ 右 黄 (5.10a) リピート

壁の使用料が200円に上がり、3本登ったので1本当たりの単価が70円ぐらいか(笑)
今日はクライミングシューズを忘れたので、ランニングシューズで登った。

さすがはターサーJapan、古くなったとはいえフィット感は抜群だった。

ところで、BMI(Body Mass index)がやばい。
今日の夕食前で「20.06」だった。
もちろんまだ「普通体重」の範囲以内ではあるが、貯筋活動をしている割に体重は減るばかりだ。

三倉岳 Debut!

2023.5.4(祝) 三倉岳 1

GWの天気が徐々に良くなり、急遽さとちゃんに誘われて広島:三倉岳に行くことになった。
三倉岳と言えばクラック。
私は古い棒フレンズしか持っていないので、タケシさんに「新しいカム」を借りたがそれもかなり旧型だった。
まあ、油を引けば使えそうだったので全部持って行った。
4:00 熊本の自宅発~植木IC~大宰府IC
5:30 大野城市のさとちゃん宅発~広島県大竹IC~
9:00 三倉岳キャンプ場

キャンプ場から岩場まで、重荷を背負って山道を20分歩く。
日ごろ日向神で楽ばかりしているのでちょっと辛い。
「源助崩れ正面」で地元のりーさん、藤原さん、小田さんと合流。
お目当ての「モアイ・クラック」は順番待ちなので上部のⅡ峰へ移動した。

さて、久しぶりのクラック登り。この頃は「トラッド・クライミング」という。
最初は「Tr.でも」と思っていたがそんな雰囲気はなく、カム一式を渡された。
しかたなくリードで取りつく

① 十六夜(5.8) MOS
下部が軽いかぶりで、足元がスカスカする。
キャメロットがスパッと決まり、まずまずの出だし。

② 白日夢・左(5.9) MOS ※上の写真
出だしでC-4番を使ってみた。

終了点まであと少し。終了点はリングキャッチにカラビナ残置が多い。
「100岩」に載っていない新しめのエリアはグレードも一般的か。

③ なごみ (5.7) OS
ボルト1本と横クラックにカムを使う。
登っているのはりーさん。
風の通り道でけっこう涼しい。

この後、Ⅱ峰から少し下り「源助崩れ東面」へ。

④ ウー (5.11a) 敗退
指の入らないクラックのボルトルート。厳しい。

⑤ スカイウォーク (5.10c) NG
素晴らしいスカイラインを登るボルトルート。

極端なスラブから最後はカンテになる。

ヘルメットが似合う男になりたい。

さて、お昼を食べて仮眠をとっていたら「モアイ」があいた。
⑥ モアイ・クラック(5.9) MOS

「源助崩れ正面」の中央にある顕著なクラックが「モアイクラック」
右側がモアイ像の顔にも見える。

中間部までは快適なサイズのクラック登り。

最後のチョックストーンにC-2番を使って思い切りよく越えるところが核心。

⑦ ヒップ・クラック(5.9) ★ MOS
このエリアの看板ルート。
下部は右上する細いクラック。
上の図は、チムニーに入って太い木の根にスリングでプロテクションを取っているところ。
チムニー上部のチョックストーンもやっかいな存在。
C-5番が奥に入りすぎて回収に手間取るなど、慣れないチムニー登りで時間がかかった。

ここがOW(オフウィドス)という難物のワイドクラック。
最初、左のフェースに出たので、下で見ていた人をひやひやさせたかもしれない。
私の場合、クラックの奥になんとかフィストが決まり、20㎝刻みで体をずり上げることができた。
擦り傷だらけになりながら、十分満足の1本。

帰りは道沿いのエリアやルートを案内していただいた。

三倉岳をバックに左からりーさん、小田さん、私、さとちゃん、藤原さん。
やはり地元の方に案内していただくと内容が濃かった。
この場を借りて感謝の気持ちを伝えたい。
1泊の予定でキャンプサイトも予約していたが、翌日は雨の予報で日帰りになった。

岩国IC~下松SA(夕食)~大宰府IC~植木IC~自宅着
九州に入ると雨になった。
体が相当疲労していたので、雨が降ってちょうど良かったと思う。

ハートエリアの最新ルート

2023.5.3(祝) 日向神:ハートエリア 179

4月の下旬、ちょっとハートエリアに行かない間に新ルートが5本もできていた。
場所はメインエリアから右へワイヤーを3カ所ぐらいくぐった、マルチの「SKルート」がある「南面エリア」。
今日は4本をOSできた。
「ど・S (5.11b)」もリピートしてみた。
その後はみんなで岩場の整備をした。

「三葉躑躅:エクステンション(5.11a) 長友」 OS
下部の5.10部分でラインどりを間違えて5.11クラスのムーブで登ってしまった。
美レイヤーはゆきえさん。カメラはK1さん。

「睡蓮 (5.11a) 井ノ口」 OS
本日完成した井ノ口さんの2本目のルート、第2登。
すぐ左の「春告鳥(5.10d) 井ノ口」も面白い。

半世紀ほどの時を経て灯った我が家のランタン2個。
ホームセンターで買ったパラフィンオイルは煤が全くでなくてすばらしい。

くまもと県体壁リード大会

2023.4.23(日) 県体壁 26

今日は熊本県山岳・スポーツクライミング連盟による、国体選手予選会なのであるが、同時に小・中学生、一般の部の大会も行われた。
私はビレイヤーとしてのスタッフ、そして一般選手としても参加した。
午前中は少年男女(高校生)、成年女子の予選会があった。
午後になって一般の部になり、私が一番手だった。
1本目は中央の黄色テープ課題。
これはサービス課題で余裕の完登。完登者も4名いた。
2本目が勝負だ。

中央から右へトラバースする水色テープ課題。
ビレイヤーはヒロさん。

右手の赤ホールドは丸くて持ち辛い。

これも持ちにくい右手黄色から左手緑は以外にも薄いカチ。
その上の黄緑は遠い。

結果、ポイントポイントでの判断が遅く6分間を使い切っての「時間切れ」で終了。

これは一般の部で優勝したニッシーさん。

リザルト(成績)が出るまで子どもたちは遊ぶ。

私の成績は3位。カラビナは参加賞だ。
年に1回ぐらい、こんなコンペも楽しい。

「ど・S」をリニューアル、5.11bへ!

2023.4.22(土) 日向神:ハートエリア 178

休日でも早くから目が覚めるので、今日は少し遠回りをして日向神を目指した。

菊池の北方、大分県との県境になる穴川峠(680m)を越え、鯛生金山へ下る。
更に竹原峠を越えて、福岡県矢部に下る。

途中で以前から訪れてみたかった「八女津姫神社」にも寄る。
大きな窟屋や見事な神木(権現杉)は素晴らしいパワースポットだ。

八女市の名称はこの神社が発祥とある。
神社の紋章が「卍」(まんじ)というのも面白い。
ダム湖の右岸道で日向神峡へ向かう。

今日のハートエリアは6名。
アップの後、2週間前に拓いた「ど・S(5.11a)」を登った。
目的はラインの引き直しだ。
実は中間部のラインはもう少し右側のスラブを予定していたのだ。
最初、Tr.ソロで1回登れたが、日が当たり暑くなると登れなくなった。
「こんな難しいどスラブでは人気が出ないだろう・・・」
と思い、登りやすい左側にボルトを打った。
核心部は下部のトラバース部分だったからだ。
おかげでラインはS字状に曲がったがけっこうおもしろいルートになったと思っていた。
しかし、すぐにゆきえさん、ナカさん、井ノ口さんらにオンサイトされてしまった。みんなの困った顔が見たかったのに逆に喜ばれてしまった。
「これじゃあ、イカン!」
ということで本来のどスラブにラインをとることにした。

山森さんの協力で試登してボルトを打ち直した。
しかしここで大問題が発生。
自分がリードで登れないのだ!
午前中はピタッと止まっていたミウラのゴムが午後になるとズルズルッと滑り始めたのだ。(イニシャルDに出てくる熱ダレか?)
なんと4回目のトライでやっと初登できた。
「ど・S (5.11b) B7 17m 緒方一成」の完成としたい。
ビレイヤー、カメラは山森健吉さん。

これでいつものハートエリアのメンバーからはしばらく第2登は出ないだろう。ヒヒヒッ。