秋の比叡山マルチ:ナックルスラブノーマル(Ⅴ-)

2018.10.27(土) 比叡山マルチクライミング

今回の「比叡山マルチ」はあそ望山岳会の10月会山行である。土・日の2日間で8人の参加となった。
7:00 大津集合・出発
前夜の雨で集合時間を1時間遅らせた。しかし、高千穂を過ぎると宮崎県はほとんど雨が降っていなかった。
9:00 比叡山着
駐車場には停められないほど車が多い。たぶん今夜「つりがね」で「九州岳人の集い」が行われるからであろう。
今日のパートナーは学生時代の先輩であるかんすけさん。二人合わせて125歳だから無理のない「麓屋カンテ~TAカンテ(Ⅳ+)」にしようと思った。
取り付きに着くと、目の前の「ナックルフェイスFYKルート」がどうしても気にかかる。ここは2018年1月7日に登っているが、1P目・5.10cの部分に3便かかった。その時はマルチ用のシューズだったが、今日はショート用C4ラバーのシューズを持って来ている。
「FYKルート・1P目(5.10c)・5m」
ボルト直上のラインで入る。1ピン目は絶妙なスメア。そして指も足も小さなへこみを使い、厚さ1cmほどのアンダーを持って2ピン目クリップ。「くそー、リーチが足らん!」と無意味な愚痴をこぼしながらも3ピン目にクリップできた。
シューズが良かったのか、腕が上がったのか、2回目だったからかもしれないが満足の1登だった。【写真は1月7日のRP時】

「ナックルフェイスルート(Ⅵ+)1P」
TAカンテはあり吉パーティーや長崎のパーティーが取り付いているので「ナックルスラブ・ノーマル」に取り付いたつもりだった。
1P目、「この頃のⅣ+は難しいな~」と思いながらも枯れた松の木に到着。ところがセカンドのかんすけさんが途中で登れなくなり、ゴボウでも上がれず「降りま~す」というコール。
ダブルロープでがっちり体重のかかったATCガイドだったが図表で覚え知っていた「リリースポイント」に細引きを入れてロワーダウンさせることができた。私もここから懸垂下降した。
ルート図をよく見直してみると「ナックルフェイス1P目 Ⅵ+」から最後だけ直上してナックルスラブノーマル1P終了点に達していたのだった。名前もルートも分かりにくい。

「ナックルスラブルート・ノーマル(Ⅴ-)」 
昼食をとって、改めて仕切りなおし。
【写真は2P目をリードするかんすけさん」

4P目。Ⅳ+なのにピンが1本しかない。しかもここでルート図を10mほど落としてしまった。コールは届かない、ロープは出ない状況で回収するのに一苦労した。
5P目。このルートの核心部Ⅴ-だ。ウロコ状のスラブ壁で微妙なトラバースがあった。

稜線に出るとFYKルートの開拓者、山本さんと数十年ぶりに会った。白髭をたくわえてどこか外国船の船長さんという風情であった。
下りは長崎のパーティーを南面コースに案内した。通る人も少なく道は荒れていたが確実に早く下りられる。
駐車場で新人会員のコシさん親子と記念写真。

19:00
長陽大橋を通り、2時間弱で大津に着いた。車の中でかんすけさんが「比叡の中で、今日のルートが一番面白かった」と言われて嬉しかった。今日も満足の一日だった。

奥壁:アッポロ11号をRP

2018.10.20(土) 日向神:奥壁クライミング

午前4時に目が覚めた。
コーヒー、フルグラ、ストレッチ、事務仕事など。
出掛けにYouTubeで「Jupiter 平原綾香」を聴いた。
もし今日、「アッポロ11号(5.11b)」が登れたらラッキーソングとしてこれからRPを目指すような時には必ず聴こうと思った。
実は「アッポロ」にはこれまで5回もトライしているが、使うホールドやムーブが定まっていない。
写真は8月12日のトライ時のもので、この後フォール。

かすかな自信の裏づけはこの夏に3回トライしてランナウトに慣れたことと秋空の下の乾燥した岩肌だ。

午前9時には日向神に着いたが、今日の岩友であるタケシさんが来るのは11時過ぎなので、アケビ採りに精を出す。
アケビを求めて日向神タワーや未発表の岩場などを巡った。

足軽(5.9)でアップ後、本命の「アッポロ11号」にQDを架けた。
そして核心部のムーブを探ると、なんとかスタティックに手を出すことが出来るようになった。
昨年の夏、初めてトライした時は「指先のパワーがあれば登れる」と思ったが、今年の夏は「力では登れない」と思った。やはりポイントは足を使った体重移動にあった。
合計4日間、7便目でのRPだった。

秋の本匠:井上タワー

2018.10.14 本匠クライミング

6:00
大津に集合。気温10度。まだ薄暗いが早く出れば早く着く。7時出発だと前回は3時間かかった。S山岳会もここを集合地にしているようだ。たぶん祖母山系か。
8:30
本匠:井上タワー着。
①なめくじら(5.10)R(リピート)
②みつまたの花(5.11-)NG
みつまたの花(5.11-)RP

④三四郎(5.12-)敗退
猿田彦(5.11-)OS

⑥ストレートティー(5.11-)R
⑦さざれ石(5.10+)NG

川面下部壁は人工壁みたいにかぶっている。お目当ては「みつまたの花」、今日で3日目になる。QD掛けで登るともうだいぶん慣れてホールドがよく見えたのでRPトライは予想以上に楽だった。
「猿田彦」もかぶった壁を豪快に登る1本。ホールドが大きいので迷い様がない。
「ストレートティー」は核心部で何度も行き来した。疲れて上部では飛びついてホールドを取るなど実に危なかった。ここの核心部のホールドは分かりにくいので忘れないようにしたい。
「さざれ石」で力を出し切った。

井上タワーは私たちを含めて9名。クライミングのベストシーズンだというのに、魚道や宮前に人影はなかった。

15:30 早目の撤収。
18:20 阿蘇道は混雑していると思い産山経由ミルクロードで帰った。
往復で235km、秋の夕暮れは早くすでに真っ暗だった。

台風一過、「うし子」をリピート

2018.10.7(日) 日向神クライミング

3連休初日は台風25号の影響で強風が吹きけっこうな雨となった。
2日目の今日は台風一過の秋晴れとはいかず温かい曇り。
岩は濡れているだろうが、明日はJr.ボルダリング教室なので「今日しかない」という気持ちで山に向かう。
日向神の岩は予想以上に濡れていた。
もう諦めて帰路につく山友もいた。

こんな日でも少しは登れるトンネルエリアへ行く。
山友はタケシさん、浦崎さん、カオリン。
①けほぎトンネル右ルート(5.11a)R(リピート)
②うし子(5.11b)NG QD架け
うし子(5.11b)R
④けほぎトンネル右ルート(5.11a)R

「うし子」は2015年9月に7便かけてRPした。
トンネル内からスタートしてハングを越えフェースを登る。

途中で電話線をかわすのも特徴的だ。
フェースは足をうまく使うのがポイントで、登れないうちは過呼吸になりそうなくらいパワーを使っていた。

トンネルエリアの上部にはスズメバチの丸い巣が3個も見える。
タケシさんが時々偵察に来るハチをスプレーで撃墜していたら7匹を数えた。

帰りにはカオリンがアケビの熟れた実を採ってくれた。
岩登りより木登りがうまい。

若いころ歌っていた「アルプス一万尺」の替え歌にこんなのがあったなあ。
♪山のアケビは何見てひ~らく
下のマツタケ、見てひらく ランラ ランラ ランラ ランラ~