「ぶらり旅」カテゴリーアーカイブ

熊日新聞に掲載:東北の旅

2025.9.1(月) ぶらり旅 徒然

夏に行った東北の山旅、その中でも最大の危機だった「蔵王山スマホ紛失事件」を熊日新聞「読者ひろば」に投稿したところ、8月30日の朝刊に掲載された。

蔵王山 火口湖

♪「蔵王の山男」

色は黒いが気はやさし 胸にファイトの灯がともる
身にはボロをまとえども おいら蔵王の山男
ああ楽しき我が心

お花畑でみる夢は 遠いカンチェかマナスルか
ザイルさばいてあの壁を おいら蔵王の山男
ああ楽しきわが心

なだれとどろく雪道を たどりゃ春風我がほほに
シールはずして雪だるま おいら蔵王の山男
ああ楽しき我が心

東北の旅に影響を与えた本

2025.8.26(火)ぶらり旅 19

今回の旅の一番のめあては「東北の山を登る」ことだった。そして、聖地巡礼的な自分の関心のある所へ行くのは旅の醍醐味の一つだが、その関心がどこから来るのかといえばそれはやはり本や映画、歌、YouTubeだろう。
今回の旅に影響を与えた本などをクイズ形式で紹介しよう。

第1問 「八甲田山」といえば

答えはご存知「八甲田山死の彷徨 (新田次郎)」である。
199名の死者を出した山岳遭難事件を題材にした小説で、映画にもなった。遭難資料館、幸畑陸軍墓地、後藤伍長の像を見に行く案も頭の隅にはあったが、豪雪で有名な酸ヶ湯温泉に行ってしまった。

第2問 「榛名山・赤城山・碓氷峠」

榛名山(秋名山)のコーナー番号標識(ギャラリーがたくさんいる駐車場)

答えは漫画・アニメ「頭文字D」である。
先日、車好きなIさんがこの有名なアニメを知らず、このブログをみて「頭文字D」に関心を持ちアニメを見るようになったと聞いた。そして「碓氷峠を走りに行く」とか、もうびっくり。

第3問 「月山・親不知・立石寺(りっしゃくじ)・一関」を歩いた人とは

もう、東北の旅といえば「奥の細道(松尾芭蕉)」だ。

この本の表紙絵が山形:立石寺。
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」を知らない人はいないが、この句が詠まれたところが立石寺であることを知っている九州人は少ないだろう。
月山は奥の細道紀行で芭蕉が登った一番高い山になる。

第4問 「恐山」に行った漫画家とは  ※難問

恐山:三途の河原 「東日本大震災の慰霊碑」

このブログの愛読者なら漫画家「つげ義春」の名前にご記憶があろう。

つげ義春は「ねじ式」等の漫画以外にも旅をテーマにした随筆も書いている。この本の中で、つげは恐山を訪れ宿坊に泊っている。
今回、ブログには載せていないが「八幡平・蒸ノ湯(ふけのゆ)」にも私は立ち寄った。もちろん昔つげが泊った宿である。山の中の1軒宿で本の中でも「地の果て、旅路の果て」、「オンドル式という粗末な馬小屋みたいな浴舎があって」と紹介されていた。
しかし実際は秘湯ブームのためか「1泊2万円」と言われてあっさりと諦めた。近くの「野湯(100円)」も時間制限があって入れなかったのは残念。

第5問 兵庫と鳥取の県境「氷ノ山」に登った単独行者

これもブログの愛読者ならば判るはず。
「孤高の人(新田次郎)」である。誰もが一度は憧れる加藤文太郎の足跡を辿れたのは灌漑深い。

第6問 「尾瀬」を歌った唱歌といえば

童謡「夏の思い出」である。
作詞:江間章子  作曲:中田喜直

夏が来れば思い出す はるかな尾瀬 遠い空
霧の中にうかびくる やさしい影 野の小路
水芭蕉の花が咲いている
夢見て咲いている水のほとり
石楠花色にたそがれる はるかな尾瀬 遠い空

夏が来れば思い出す はるかな尾瀬 野の旅よ
花の中にそよそよと ゆれゆれる浮き島よ
水芭蕉の花が匂っている水のほとり
まなこつぶれば なつかしい
はるかな尾瀬 遠い空

先日、ちょっと気になるニュースが流れていた。
尾瀬の観光客が昔の4分の1に減っているそうだ。
どうも富士山と違って、尾瀬は外国人に人気がないようだ。
ならば水芭蕉の咲く季節に行けるかも。

旅の失敗談&東北の花

2025.8.21(木) ぶらり旅18 生物 28

14泊のぶらり旅を無事に帰ってきたので「失敗」というほどのことはないが、今後への教訓として残しておこう。
出会った花も厳選して10種載せよう。


チングルマとイワカガミ  月山

① 初日の歯みがき
萩のキャンプ場で寝る前に歯を磨いた。翌朝、どうも口の中がすっきりしない。朝食を食べ終わり歯を磨こうとしたら、昨夜のチューブは歯磨き粉ではなく「日焼け止め」だったことに気付いた。2つのチューブは形も大きさも似ていたからなあ。
味なんか気にならない漢(おとこ)です。

イワギキョウ 鳥海山

② 温泉で勝手にスマホを充電
温泉に入浴中、誰も使わないコンセントでスマホを勝手に充電していたら忘れ物と思われて事務室で保管された。「充電ぐらい遠慮なく言ってください!」と諭された。平謝り。

イワベンケイ 鳥海山

③ 夜、工事用道路に入って露営
夜になり標高の高い野営地を求めて、グーグル先生の指示で「〇〇滝」をめざして進んだら行き止まりの工事用道路だった。ごろ寝をして、車が汚れた以外特に問題はなかったがトイレぐらいはあるもう少し有名な観光スポットを選ぶべきだった。
ちなみに、「道の駅」は標高が低くて暑く、大型トラックが一晩中エンジンをかけているので野営地としてはあまり利用しない。

キンコウカ 八甲田山

④ ザックを置きっぱなしで温泉へ
平日の田舎の公営キャンプ場は誰もいない。ここを本日の野営地として、近くの温泉に行って帰ってきたらなんと駐車場に自分のザックが置きっぱなしになっていた。不注意だなあ。

タカネナデシコ 早池峰山

⑤ 朝からフルーツ缶が食べられない
ハードな一日のために朝食にフルーツ缶を用意したが、プルタップを引いたらちぎれてしまった。いまどき缶切りなんか持っていないので、フルーツ缶が食べられずにこの日の行動は精神的にきつかった。下山してハンマーを使いワイルドに開けたがこれも良し。よく考えればスイスアーミーナイフを持っていた。このナイフのことを忘れていたのが失敗。

ハヤチネウスユキソウ 早池峰山

⑥ 車のナビを信じて遠回り
車載ナビはもう8年ほど前のものだから当然新しい道は載っていない。スマホのバッテリー節約で車のナビを頼りに走ったが、明らかに遠回りだったと2回ほど感じた。スマホのマップを十分に使えなかったのが失敗。手持ちの地図は「小学校の地図帳」だからなあ。

オオバナノエンレイソウ 尾瀬沼

⑦ スマホ充電の不備でビジネスホテルへ
ロードスターのUSBスロット×2は充電用ではないことを知っていた。これまでの2~3泊の旅ではモバイルバッテリーで十分だったが、今回は足りない。そこはもともと雨が降ったら宿泊施設に泊って充電する計画だった。しかしずっと好天でテント泊が続きバッテリーが切れかかったときにビジネスホテルを1回だけ利用した。(洗濯もしたかった)
「車載充電器」というシガーソケットを使ってスマホに充電できる道具を持っておくべきだったが、私のロードスターのシガーソケットはETCの電源用にセット( ロードスターのETCソケットは本来助手席後方にあるが、前の車で使っていたETCを流用してしている) していたので使えないと思い込んでいたのが失敗。高速道路を使わないことが多かったので充電器を付け替えれば何の問題なく済んだのだ 。先日エレコムの車載充電器(2500円)を買った。

ミズバショウの夏の姿 尾瀬沼

⑧ コインランドリーで200円の損失
ビジネスホテル近くのコインランドリーで初めての衣服の洗濯・乾燥はうまくできた。ついでに「シューズの洗濯機」もあったのでやろうと思ったが、説明書が見当たらない。とにかくお金を入れれば自動でやってくれるだろうと思い、200円入れたら「シューズ乾燥機」だけが動き出した。コイン投入口を間違っていた。

コマクサ 蔵王山

⑨ 高温でナビの不具合
尾瀬の御池駐車場でバスの時間に追われて車のサンシェードを忘れた。戻ってきたら車内は超高温でナビの画面が出なかった。エアコンが効き始めると直った。八甲田山を一緒に登った方はモバイルバッテリーを車内に置くのも怖いと言ってザックに入れていた。
スマホも高温や直射日光に弱い。あまり明るい場所だと画面が黒くなって非常に見にくい。鳥海山で一緒になった方に対処法は教えてもらった。また、サングラスをかけると車のナビは見えるがスマホ画面は見にくいことを認識した。

ホタルブクロ 野麦峠

⑩ スマホを落とした
車のキーを落としたと思い込んだ8日目の八甲田山、スマホを落とした10日目の蔵王山が最大の危機だった。この2件とも「いつもと違う場所に入れた」ことが失敗だった。これからはスマホをトイレに落とした人を「アホな人」と呼ぶことができなくなった。

旅のまとめで失敗を数えたら15個あった。まあ1日1個と思えば少ないか。
「ぶらり旅」と称して先に宿泊地や登山口をほとんど決めずに動いたので、時間に追われずマイペースで行けた。「予定」が決まっていたら「失敗」と呼ばれるものはたくさん出てきただろう。
松尾芭蕉も山形の立石寺には旅の途中で「いい寺があるそうだ」と聞いて足を伸ばしたそうで、元々の予定にはなかったようだ。

どんな有名な観光地も車やロープウェイで誰でも見ることができる景色は物足りなさを感じる。やっぱり汗を流して峠を越えた先にある景色が見たい。

またどこかへ旅に出たい。

旅で出会った動物たち

2025.8.18(月) 生物27 ぶらり旅17

7月21日から8月4日まで、東北ぶらり旅に行って出会った動物たちを時系列で紹介しよう。

【トビ】 7月23日 京都:天橋立あたり
海の近くではよく見かける大型の猛禽類。

【コシロコブゾウムシ】 7月26日 鳥海山
最初はボーベリア菌に侵されたゾウムシかと思ったが、近くに何匹もいて元気も良い。調べたら「色彩変異種」らしい。

【セマダラコガネ】 鳥海山 これは自宅近くでも良く見る。

【アオハムシダマシ】 鳥海山 
色がきれいで、車にとまっていた。

【ヤマナメクジ】 7月28日 八甲田山 近くに2匹いた。

【アオジョウカイ】 7月29日 早池峰山 

【キベリタテハ】 7月31日 尾瀬沼
これは本州の中部地方以北にしかいないらしい。

【カワウ】 尾瀬沼
この沼はもちろん禁漁区だから魚は食べ放題かな。

【ニホンザル】 7月31日 奥只見湖
尾瀬沼から新潟:魚沼に向かう途中、大きな群れに出会った。

【ヤマドリ】 8月2日 野麦峠
尾が短いのはまだ幼鳥だから?

【ニホンジカ】 8月3日 岐阜  早朝の山間の村

【ニホンザル】 8月3日 鈴鹿の民家の近く
奥にいるのがオスで、横を通るとにらまれた。

【イシガメ】 8月3日 氷ノ山に向かう途中
山道とはいえ道路を歩いていては危ないよ。

【ヤマアカガエル】 8月4日 氷ノ山
これは日向神の山中でもよく見かける。

【アオダイショウ】 8月4日 氷ノ山
体色や柄が珍しかったのでびっくりしたが、頭はかわいいアオダイショウだった。

【ヒゲコメツキ】 氷ノ山 山を下りるとズボンについていた。

【クサキリ?】 8月4日 鳥取のコンビニ
見た目はクサキリだが、体調が10㎝を越える大型で、違う種類かもしれない。

幸か不幸か、クマの写真を撮る機会には巡り合わなかった。

なお、「東北ぶらり旅で出会った花」は、多すぎて名前を調べる気にもならず、いまのところブログにアップする予定はない。

2025 夏のぶらり旅:まとめ

2025.8.5(火) ぶらり旅 熊本~青森~熊本

今回の旅のめあては4つあった。
①無事に帰ってくる 
②八甲田山などに登る 
③山寺:立石寺に参拝する 
④頭文字Dの聖地巡礼
一応4つとも納得のできるレベルでうまくいった。

14泊15日で全行程4.914km、一日平均327km走った。

出費は約12万円で、主に移動は下道、テント泊なので半分はガソリン代だった。

標高1000m以上の山は10座登った。(すべて初見)
山の一押しは6日目、山形の鳥海山。観光では10日目、これも山形の立石寺。

天候は「東北地方の梅雨明け10日」をねらったので、ほぼほぼ快晴に恵まれた。東北でも昼間は40度に近くなるので、テン場は出来るだけ標高の高い所を選んだ。

【理想的な一日のパターン】
夕方、トイレのある無料の登山口に着いてテン泊
※次の山の登山口や宿泊地の情報を集める
日の出と共に登山を開始(暑くなる前に)
お昼ごろには下山、近くの温泉に入る
山を下ってスーパーで買い出し、水を補給(4ℓ)
移動して次の登山口へ向かう

これは今回の装備一式ではなく、まったく使わなかった道具たちである。
左下の黄色い箱は非常用ラジオ・ライト。焚火道具が一回も出番なし。虫よけスプレーは2本もっていた。ホットサンド、調味料セット、お皿も不使用。夏山用シュラフ、ソフト保冷バッグ、サブバッグ、保冷水筒、コンデジカメラも要らなかった。
まだまだ「ロドキャン」では荷物が減らせる。


NDロードスターはよく走った。途中2回車を洗った。

オイル交換でディーラーに行ったら「TE37に傷が2ヵ所あります」と言われた。たぶん最終日、氷ノ山の山道(ダート)だろう。(涙)

15日目、氷ノ山そして帰熊

2025.8.4(月) ぶらぶら旅  兵庫~鳥取=熊本

いつも午前3時頃には起きる。テントをたたみ朝食をとる。

きれいな朝焼けだがこれはちょっとあぶない。

大段ヶ平登山口から氷ノ山を望む。もちろん山頂はあの山の先。

この避難小屋も冬季入口は高い。

黒っぽくて柄もある大きなアオダイショウ。

約2時間歩くと、高層湿地帯の向こうに山頂小屋が見えてきた。

山頂避難小屋は新しくて立派、中には囲炉裏もある。すぐ近くに新しいバイオトイレもあるので、紅葉の時期とかに泊まってみたい。

ブナの林の中を下る。
下山途中、両ひざに違和感を感じた。左ひざは月山の頃から下りになると少し痛んだ。
(実は旅の前にトレッドミルで走り過ぎて痛めていた)

帰り道に伯耆大山などあるが下りでひざが痛くなるのはみえているので下山してもまだ午前8時、熊本に帰ることにした。

ところがここから鳥取に向かう県道29号にでるために「但馬アルペンロード」を走ったが、これがなんと今時珍しい砂利道だった。

なんと10kmも続くダートで1回車の腹をこすった。
しかもポンポンはねるあまりにもひどい振動で「BSM異常」というメッセージまで出た。(舗装路に出るとすぐ復旧)
タイヤの空気圧を高速走行に合わせて2.4と高めにしていたからなあ。

鳥取からは高速道に乗って一気に熊本へ向かう。途中、雨が降った。

九州道に入ったら時々ぱらつく曇り空だったが、久しぶりのオープンにしてビクトリーラン。
高速料金約9000円で、午後7時ごろ無事に自宅へもどった。

14日目、笹尾山と御在所岳

2025.8.3(日)  ぶらぶら旅 岐阜~三重~京都~兵庫

岐阜の岩屋ダム湖畔で野営していると暑くて午前2時に汗をかいて目覚めたので、すぐ関ヶ原に向けて走り始めた。


夜明け前の岐阜市では地元の赤いロードスター改の後に付いて爆走。その後、初めて「すき家」の朝定食をたべた。

ところで、笹尾山をご存知の方は相当な日本史通だろう。

写真は笹尾山から見た関ヶ原である。ここは西軍大将石田三成が本陣を置いた山で、今にも火縄銃の音や馬のいななきが聞こえてきそうである。

関ヶ原古戦場「決戦の地」と言われる所。
天下分け目の戦いは午前中、わずか6時間ほどで東軍(徳川家康)の勝利に終わった。
あの宮本武蔵も若い時に参戦したが西軍だったので戦功をあげることはできなかったようだ。

ここから鈴鹿山脈の御在所岳(1212m)をめざした。

途中、意外に人家の近くでサルの親子に会った。

御在所岳は遠目になかなか手強そうである。

御在所岳の近くは日曜日とあってどこも車が停められないほどだった。ここは登山はもちろん、自転車、バイク、ランなど街の人々の身近な野外活動の場なのだろう。
大きな駐車場のある武平峠から登ると山頂まで約1時間であった。

近くに登山ロープウェイもあって誰でも登れる。
有名な岩場「藤内壁」を見たかったがどうも簡単には行けないらしく諦めた。10月にはクライミングでまた来る予定である。

この後、京都の鞍馬山を考えたが京都や大阪の下道は走りたくなかったので、掟破りの高速道に乗って但馬:氷ノ山(ひょうのせん)の登山口、養父(やぶ)まで一気に行った。

途中の沢沿いの山道で見つけたイシガメ。なかなか山が深い。

氷ノ山:大段ケ平登山口は良い所で、トイレは新しいバイオトイレだった。
氷ノ山は「孤高の人:加藤文太郎」がよく登っていた山である。神戸在住の文太郎は氷ノ山を越えて日本海まで「カモシカ登山」をやっていたそうだ。

鳥の写真を撮りに来ている人がいて、
「夕暮れ時、ヨタカが駐車場の広場で砂浴びをする」
というので一緒に見ていたら本当にヨタカがやってきて、「キョキョキョッ」と鳴いた。

13日目、碓氷峠〜松本〜野麦峠

2025.8.2(土) ぶらぶら旅   群馬~長野~岐阜

赤城山を早く出て、「頭文字D」聖地巡礼の旅はもちろん「シルエイティ佐藤真子と沙雪」のホームコース、碓氷峠をめざす。
途中、異様な山体の岩山が見えてきて「妙義ナイトキッズ:R32中里毅」のホーム、妙義山だと分かった。「これはドライブや登山というよりクライミングだろう」と思って今回はパスした。

妙義山から旧道:碓氷峠は近い。
行き交う車もない早朝の旧道は静かだった。

レンガ造りの「めがね橋」は旧鉄道の遺跡で名所になっている。この旧道はコーナーが200近くあり、ナビのないころは物語のように沙雪みたいなナビ係のサポートがいた方がいい。

ここが碓氷峠で、越えれば軽井沢になる。
一休みしていたらスキール音を響かせて1台登ってきた。
シルバーのアウディ2ドア車だった。夏は軽井沢にいて、早朝にこの道を毎日走っている感じだった。

軽井沢の街は道端にもきれいに花が植栽されて品がいい。
朝から黒いベンツのマダムがセブンイレブンで買い物をする。

近くの浅間山には目もくれず松本をめざす。
自分の故郷は、1が熊本、2に宮崎、3が松本と思っていた時期も昔あった。
しかし、松本は何十年ぶりだろう。昔の彼女や元妻に会うぐらいどきどきした。

学生時代にアルプス登山の定宿としてお世話になった旧制松本高校(現信州大学)思誠寮跡地を訪ねた。プレートを見ると昭和63(1988)年に解体され「あがた公園」の駐車場になっていた。

すぐ横の「旧制高校記念館」(無料)に入った。

松本高校と言えば私にとっては「北杜夫」、そしてこの本「どくとるマンボウ青春期」である。高校・浪人中にこれを読んでバンカラな学生生活や北アルプスに憧れた。
大学1年生の夏、北杜夫が住んでいたこの思誠寮に泊まると知った時の喜びは忘れられない。その後も合宿が終わると北杜夫や昔の岳人が歩いた新島々から徳本峠~上高地への道を一人で歩いた。
(北杜夫は卓球部であまり高い山には登っていない)

夏が終わり、大学に戻った私は木造校舎をガランゴロンとお土産に買った下駄で歩いて顰蹙(ひんしゅく)をかった。この下駄で単車に乗っていてお巡りさんに見つかり免停を喰らったことは以前書いた。

【あがた公園 ヒマラヤシーダーの並木道】
合宿後の汚いパンツを捨てた銭湯や打ち上げでいつも行ったトンカツ屋「かつとも」などは巨大なイオンに飲み込まれていた。

真夏の信州路、土曜日ともなれば上高地方面行は渋滞だった。
それでも野麦峠方面に曲がると車は極端に少なくなった。

野麦峠は飛騨:高山と信州:岡谷を結ぶ標高1672mもある重要かつ歩くには昔から困難な所だ。この道標の手前に駐車場があって、旧道(山道)を歩いて峠に行ける。(今回はパス)

ここが訪れる人影もまばらな野麦峠のお助け小屋。
人が少ないとお花が多い。

きれいなホタルブクロが咲いていた。

「あゝ飛騨が見える」の像。
旧道を歩いてきた登山者の団体の中から「背負われているのが大竹しのぶよね」などと聞こえる。

飛騨への下り、ヤマドリ(尾羽が短い?)を見た。

12日目、谷川岳&頭文字d

2025.8.1(金) ぶらぶら旅 群馬

谷川岳の登山口、土合駅。
東京からの下りプラットホームから改札口まで864段の階段を登るモグラ駅で有名。

これは階段を上から見たところ。
重荷を背負って864段、これをウオーミングアップにしていたとか。谷川岳一の倉沢といえば600名ほどもなくなっている魔の山。帰りの汽車に乗れなかったクライマーも多かったろう。

「谷川岳大好き」という埼玉の女性から「ロープウェイは料金が3000円と高いし8時始発は遅すぎる」と言われ、西黒尾根を登ると言われたので一緒に行くことにした。

その前に一ノ倉沢を下から見に行くことにしたがけっこう遠くて一つ手前のマチガ沢までで引き返した。
西黒尾根は日本三大急登の1つらしくベースの早い女性についていくと汗が噴き出した。

西黒尾根を上から望む。
この尾根を「3時間で登る!」と豪語していた女性がそのうち「かったるい」を連発。結局4時間で登り切ったが私も大汗をかいた。

最高点の「オキの耳」は見晴らし最高。眼下に一の倉沢の急峻な谷間が見える。この後小雨が降った。谷川岳の天気は変わりやすいようだ。
ロープウェイを使って天神尾根方面からの登山者は多く、土日は行列ができるらしい。花もヤマユリや白いギボウシ、金色のホトトギスなど多彩。
帰りは田尻尾根を下る埼玉の女性と別れ、ロープウェイを使おうと駅まで行ったが片道1800円と知って私も歩いて下りた。一人ぼっちだったのでサルの家族に出会うことができた。
合計7時間の行動で今日も疲れた。

谷川岳インフォメーションセンターは駐車料金200円でトイレもきれい、車中泊に良いところだが日も高いので移動した。


みなかみ町公共温泉は600円。 地元のロードスターがあったので隣に停めた。そして温泉の中で今夜の宿泊地の情報を得た。

群馬と言えば「頭文字D」の舞台だったところ。谷川岳を無事に終えて、ここからは頭文字Dの聖地巡礼が始まった。
さっそく物語のオープニング「榛名山(秋名山)」へ行ってみた。

下りのスタート地点になる峠の駐車場にあった地図。

ここにはAE86藤原拓海とFD3S高橋啓介の最初のバトルを描いたマンホールがあった。
付近には「秋名スピードスター」みたいな走り屋が何台もいてこっちを見るし、雨も降って来たので下りはゆっくり走った。
勝負所の5連ヘヤピン(実際は4連)の道路は路面をわざとうねらせて速く走れないようにしてあった。
「秋名の下り」は意外と短く、もう一回走ろうかとも思ったがすぐ近くに伊香保温泉があって通行車両は切れることがない。

暗くなり、この後雨は上がる予報だったので温泉で教えてもらった赤城山に向かった。今度は「赤城レッドサンズ:高橋兄弟」のホームコースだ。こちらはカーブがゆるく高速コーナーの連続で面白くない。
人気のない大きな駐車場に着いてテントを立てた。

11日目、尾瀬沼散策

2025.7.31 ぶらぶら旅

今日からぶらぶら旅の始まり。
実は今までの日本海側北上、八甲田山に登り立石寺に参拝するまでは予定通りで、これからは行き当たりばったりになる。
まずは北海道帰りの滋賀ニッサンバネットのご夫婦オススメ、檜枝岐村からの尾瀬。
2時に蔵王を出発して、7時40分に桧枝岐村御池駐車場に着いた。
既に車は多く、8時発の電動シャトルバス(往復1600円)に乗った。

終点駅から木道で沼山峠を越えると約1時間で視界が開けた。

絵でも描きたくなるような尾瀬沼の風景が待っている。
花は時期的に多くはない。

尾瀬沼ビジターセンターで見つけた「キベリタテハ」
センターはアブ対策で網戸がしてあった。

とても大きい「長蔵小屋」はどうみても小屋じゃないな。

八甲田山でも見かけた大きな葉の植物は「ミズバショウ」の夏の姿だった。中ほどに実もあり、じつはこれ、クマの大好物らしい。 クマの糞と共にミズバショウはどんどん広がっているのかもしれない。

尾瀬沼と燧ケ岳。もっと計画的ならば山も登れたと思う。

40年ぶりの尾瀬は暑かった。
40年前は群馬国体が終わって熊本県チームみんなで秋の尾瀬ヶ原を散策した。
尾瀬はいつ来てもいいようだ。

御池バス停から約6時間で沼を一周し、午後2時には下山した。
今日は駐車料1000円も払ったので御池駐車場に泊まろうと思っていたが、昼になって大アブが大発生していた。ドアを開けるとあっという間に何匹も飛び込んできた。 特に黒色の車にはアブがたくさんたかっている。 これではせっかくの観光地も台無しだ。
日も高いので次の谷川岳へ移動。
ちなみに駐車中カーナビに直射日光を当ててしまい、室内が冷えるまでしばらく不具合を起こした。

奥只見湖、子どものニホンザル。