2018.9.18 徒然
夕方、軽くランニングをしていると南の高い空に半月が綺麗だった。
西の空には一番星である宵の明星があった。
しばらく坂道を往復していると二番星、三番星が現れた。走りやすい季節になったと思う。
9月は「50kmは走ろう」と思っていたら、月半ばで52kmと目標を簡単にクリアーしていた。
昨日は敬老の日。TV番組の中で元気な老人の代表として青森の田中博男さん(87歳)が紹介されていた。マスターズ陸上の世界大会で短距離の3部門で金メダルを取られている。200mを33秒台で走り、年代別の世界記録保持者らしい。
この手の方の共通点として、60歳まではほとんど競技経験がないことがあげられる。60の手習いで走り始め、どんどん記録が伸び面白さが増す。結果としていろいろな大会で好結果を生み、更に精進を積み重ねて県で1番、日本で1番となる。
いいなあ、と思う。
今60歳の私はクライミングが面白く、もっと5.11や12のコレクションを増やしたい。ルート開拓も楽しい。
しかし、70歳になったころにはどんな山登りをしているのか、なかなかイメージできない。
①鞍岳・1000回登頂
②八方ヶ岳で新種の昆虫発見者
③写真とエッセイ「菊池の山野草」刊行
④HFCC(日向神フリークライミング・クラブ)の副会長
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あ~、どれもこれもわくわくしないし、できそうもない。
それよりも県民体育祭の陸上競技で2000mを8分ぐらいで走り、熊日新聞にちょこっと名前が載る方が楽しそうで現実味もある。マスターズは5歳毎にカテゴリーが変わるので、5年毎にわくわくがやってくるらしい。
今は「登るために走っている」が、その頃には「走るために登っている」だろう。
80、90となれば走るトレーニングは要らないだろう。日常生活での養生こそがトレーニングだ。ライバルは次々と他界するのでかなり寂しくはなるが、「これまで敗れていったみんなの分までがんばります」という高校球児なみに意識が高まるだろう。
歳をとって突然山から帰らないと周囲にえらい迷惑をかけるが、陸上競技場でバッタリなら多少は美談にならないか。
70歳まであと10年。いつでも走れる体作り、つまり走る習慣はつけておきたい。
彼岸花の咲く道で、綺麗な半月を仰ぎ見ながら考えた。