2025.10.2(木) 映画 2
⑤ 「七人の侍」 1954年
監督:黒澤明 主演:三船敏郎、志村喬(たかし)など

映画紹介はまだ始まったばかりだ。そこでまずは巨匠と云われる黒澤明監督ものを2本借りた。
「七人の侍」は207分のアクション大作で、DVDも2枚組になる。馬を使った戦闘シーンは大迫力で、一見の価値がある。
野武士集団に襲われる農民が浪人を7人雇って一緒に戦うというストーリーの展開が単純で一人一人の人間性は描き切れていない感じがした。
⑥ 「生きる」 1952年
監督:黒澤明 主演:志村喬

昭和27年ごろの市役所:市民課長が主人公。奥さんとは早く死に別れ、一人息子を育てることだけが生き甲斐だった無能な課長。定年近くになって胃がん(当時は死の病)と分かり、絶望の中で一つの仕事をやり遂げる。そして死ぬ。
身勝手な息子夫婦や気持ちを変えてくれた若い元事務員、市役所の人々の人間模様、当時の風俗など脇役もうまいが、志村喬の演技が最高。
雪の降る公園のブランコで「いのち短し 恋せよ乙女・・・」と「ゴンドラの唄」を口ずさむシーンは有名だ。
⑦ 「楢山節考」 1983年
監督:今村昌平 主演:緒形拳、坂本スミ子、あき竹城、倍賞美津子など

「姥捨て山」に基づく深沢七郎の原作は昨年読んでいたが、楢山節(唄)が文字面ではうまく伝わらなかった。しかし映画では厳しい寒村に住む人々の生と性、厳しい掟に縛られた中での愛情と哀しみ、四季を通した動物たちの営みなどが率直に描かれて心にしみる。
歯が丈夫なおりん婆さんが自分で歯を砕くシーンのために坂本スミ子が自分の歯を4本削ったという逸話は有名。長男役の緒形拳に背負われて山を登るシーンのためには10㎏減量したとも。
カンヌ映画祭グランプリ受賞作品で、外国人にもわかる山奥での厳しいロケやストーリーの「すごさ」が凝縮されている。これは18禁でテレビでは流れない。
絶対DVDで見るべき1本。