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6日目、鳥海山に登る

2025.7.26(土) ぶらり旅 

昨夜、登山口の駐車場で車中泊の方々と呑みながら話をしたら、滝の小屋からの外輪山周回コースは12時間かかると言われた。3時半から起きて準備をすると久しぶりに緊張した。

午前4時20分、駐車場を出発。
樹林帯の中を20分も登れば滝の小屋に達し、もう森林限界となる。雪渓から落ちる滝の音がして、大雨の時は渡れないような渡渉を過ぎると急に高度を上げる。周りは一面のお花畑になる。

振り返ると滝の小屋に朝日が当たり始めていた。

部分的にチングルマが綿毛になっているところもある。花が多すぎて蜂も回りこなさないだろう。

雪渓も大きく緊張させられた。ストックを2本用意したのは正解だった。

尾根に上がるとお鉢が見えた。左の岩山が最高峰の新山でその右が一般的な山頂、七高山。下りの登山者も多く、山頂小屋に泊まっていた人たち。
初めて見る花がほとんどで写真を撮るのも忙しい。

七高山から小屋に向かって下り、荷物を置いてカメラだけ持って新山をめざす。ここは雪渓の上がガラガラの岩山で、九重黒岳の岩山に似ているが今にも崩れそうだ。
写真は胎内くぐりという岩穴を抜けるところ。

この山頂表示も黒岳に似ていて、黒岳が真似をしたのか?
この後、山頂小屋前で休憩。
鉾立方面から登ってくる人が多い。

小屋からはモレーンの地形を下る。けっこう疲労して、小さな登りで足が止まるようになった。

周りはチングルマやキスゲ、フウロが咲き乱れている。この花を求めて全国から登山者が集まっている。

この後外輪山周回コースに入ると人がいなくなった。
鳥海湖からは完全な一人旅。

高山の厳しい環境なのか、キキョウをはじめどの花も丈が短い。

「二の滝コース」から滝の小屋へは道のりが長い。

来た道を振り返る。
雪渓を下り、長いお花畑の木道を歩き、急な岩ゴロ沢を登る。
「ここまで来て、登りかーい!」と叫ぶが周りには誰もいない。
足はふらつきストック2本歩行で11時間歩き、やっと下山できた。

山を下って食料の買い出しをしたが、今から八甲田山まで走るのは危険に思え、バードラインから秋田方面の鳥海山鉾立登山口に回って野営することにした。

海の見える鉾立登山口は観光地になっていた。夜は花火が見えるとかで車が多かった。

海の方に夕焼けが見えると、海上に蜃気楼のような光が現れた。「オーロラみたい!」そんな声も聞こえる。
花火は見らずに寝た。