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花咲か爺さんちの「しろ」出生の秘密?

2024.7.4(木) 徒然 127

たまたまだが、今日は有名な昔話「はなさかじい」(よしざわかずお)を読む機会があった。
すると、爺さんが山に行って、「松の木の根元で子犬を拾った」とあった。なるほど、その後隣の欲張り爺さんから殺され、その墓として松の木が植えられ(樹木葬?)て大きく育ち、木臼が作られたとなるので、話の伏線としても分かりやすく、しろは松の木の神様だったのかもしれない。

有名な昔話ではあるが、爺さんと犬の出会いがどうも私の記憶の中であいまいだったので、近くにあった別の本(松谷みよ子)を手に取った。
すると、「じさまは山にしば刈りに、ばさまは川にせんたくに行った。川上から赤と白の箱が流れてきたのでばさまが白い箱を拾い上げ、中から白い子犬が生まれた・・・」
えッ、これは「桃太郎の展開とそっくりじゃね!」と思った。
白い箱だから「しろ」か、と納得の一面もある。

ついでに別の本(おざわとしお)では、子犬は香箱に入っていたとある。香箱とは裕福な家の娘の嫁入り道具らしいから、子犬を箱に入れて流したのは女の人か。
次の本(石崎洋司)では、黒い立派な箱に入っていたとあるからやはり長者の家の子犬か。
また次の本(長谷川摂子)では、じいさんが川で拾ったとある。やはり主人公はじいさんだからなあ。

またまた次の本(稲田和子)では、赤白の箱が川上から流れてきて、ばあさんは「赤の箱」をひろったとなり、(大川悦生)の本でも赤白のうち、赤を持って帰っている。
「なんで赤い箱から白い子犬なんだ!」と叫びたくなった。

結局8冊の本をみたところ、犬が川上から流れてきたのが7つ。
そして箱に入っていたとするのが6つ。流れてきたのは赤白2つの箱とするのが4つ。そして犬が白箱から出てくるのが2つ、赤箱から出てくるのが2つという結果だった。
まあ、昔話の内容は書いた人やお国によって多少の違いがあるのはふつうだが、この有名な昔話が出だしからこうも違っていたとはまったく知らなかった。

ついでに「昔話全集」みたいな本だと、どの本でも「はなさかじい」の話が1番目に収録されていることに気付いた。分かりやすい勧善懲悪の定番設定とストーリー展開の面白さがやはり一番受けるのだろう。
疑問に思ったことが一つ。
それは松の大木である。犬の墓に植えられた松はまたたくまに大木になったらしい。これが20年も30年もかかってはじい様の寿命が足りないので、すぐに大きくなるのは合理性がある。しかし、松の木で「木臼」を作るかな?
一般的に木臼の材料はケヤキである。松脂(マツヤニ)の付いた餅はちょっとまずそう。
最後に、じいさんが灰をかけて花が咲いた枯れ木は「サクラ」だ。とすれば、かけた灰は松の木より桜の木を燃やしたものだとするのはあまりにも話ができすぎか。