2025.5.15(木) 阿蘇山 1
先日来、左わき腹が痛むのでクライミング、ドライブ、家庭菜園もやりたくない。何か上半身にストレスのないことをしようと考えたら「仙酔峡のミヤマキリシマ鑑賞」となった。
仙酔峡までは47km、二重の峠トンネルを通り約1時間のオープンドライブである。

ヘリコプターの遊覧飛行が一日中飛んでいた。一人約1万円だそうである。
死に際の枕もとで彼女が「あなた、何かやり残したことはないの?」と訊いたら、「ヘリコプターに一回乗りたかった・・・」と答えそうだ。

仙酔峡のミヤマキリシマを見るのは実に30年ぶりぐらいか。
鷲ヶ峰を遠方に置いて、すばらしい景色である。

仙酔尾根をたどると多くの慰霊碑が並ぶ。
24歳の頃、鷲ヶ峰の西稜リッジからDフェースをKKKの横山さんと登った。
横山「あそこに見えるのが匂坂(さきさか)ルートだよ」
私「匂坂さんが初登したんですね」
横山「いや、あそこで匂坂さんが亡くなったんだ」
その後も何度か鷲ヶ峰には通ったが、私の碑がここに建つことがなかったのは幸運である。

一汗二汗かきながら溶岩だらけの仙酔尾根をたどると左右の景色がどんどん変わる。これほど日本離れした景色はめったにない。
ちなみにこの頃この尾根を「バカ尾根」と呼ぶSNSでの文言が散見されるようになった。
以前、「ちゃんと仙酔尾根と呼ぼう」という運動があったことは忘れ去られてきたようだ。

高岳東峰を目指すと「天狗の舞台」がある。

25歳の頃、槍ヶ岳:北鎌尾根を登るためのトレーニングとして、鷲ヶ峰~北稜ノーマルルートで20㎏のボッカをした。

その後、この「天狗の舞台」でクライミングの練習もした思い出の一枚。(約40年前)
赤いバンダナにジョーラ、手にはクラック用のテーピング、重登山靴、なんといってもオレンジ色の「ウイランス・シットハーネス」が泣ける。

山上でカップラーメンを食べようと水やコンロを持ち上げたのに、肝心のラーメンを忘れるという痛恨のミスを犯した。
ボンベは2010年もの。

高岳山上のミヤマキリシマはまだ1分咲きだったが、イワカガミはたくさん咲いていた。

高岳山頂の標高は1592m、熊本県人はこれを「ヒゴクニ」と呼んで覚える。

帰りは中岳からロープウェイ駅跡に下る定番コース。

こんな所に「ハンミョウ」がいた。
昔は実家の庭にハンミョウの幼虫がたくさん穴を掘っていた。

外国人(ヨーロッパ系か)の登山者は多い。
ほとんど女性は短パンにタンクトップかTシャツで、荷物はすべて男性が持つのがきまり。
対して日本人のカップルは、男性が足に不安を抱え、太って満足に歩けなかったりで女性だけが荷物を持つことはよくある。
この外国人カップルのように、軽装で午後3時から仙酔峡を出発し高岳を目指す二人に「もう少しちゃんとした格好をして、時間も考えないとダメよ!」とか言わない方がいい。
彼らはだいたいこんな格好でヨーロッパアルプスやネパールの峰々を歩いて来ているのだから。

仙酔峡~仙酔尾根~高岳東峰~中岳~ロープウェイ駅跡~仙酔峡、ゆっくり歩いて5時間の山旅だった。

帰宅して「カライモ苗植え」、その後は「ホタル観賞」とブログのアップでゆっくりできない。