晴耕雨読への憧れ

2017.6.24 C.P.菊南

雨の土曜日。
梅雨の時期、もともと山行計画はないので気は楽だ。
それなのに何故かいつもより早く起きてしまう。
以前からやりたかったトイレの掃除をすると、もうこれだけで充実した休日になった。後はゆっくり本でも開く。

先日は有給休暇を半日分取って我が家の田植えの「手伝い」をした。
89歳の父が「血圧が高くてふらふらする・・」と言うからだ。
だいたい89歳にもなったら血圧が高くなるのはあたりまえだろう。
そして、89歳になっても田植えをするのはあたりまえじゃあない。
実際の田植えは私の娘婿が行った。
彼は農業のプロで、彼が田植え機で植えた苗の並び方は本当に職人技といえる。
私は今の仕事を30数年やって、田植えの為に有給を取ったのは初めてだ。
平日に有給を取り辛い仕事ではあるが、そう思い込んでいるのは自分自身の驕りだろう。半日ぐらい私がいなくても実際はどおってことはない。仕事は毎日あるが田植えは年に一回しかないのだ。
老いて体が小さくなった父と田んぼで過ごす時間が大事だと分かるのに30数年かかった。

「晴耕雨読」には憧れる。
「もうすぐ嫌でもそうなるよ!」という声が聞こえてきそうだが。

今日は村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」を読んだ。本の中の「ランナー」という言葉はすべて「クライマー」と読み替えることができる。
たとえば、「クライミングは万人に向いたスポーツではない。人は基本的には、なるべくしてクライマーになるのだ。」と。
東京オリンピックに向けてクライミングはブームになっているが、まったく山にも登らない人に「クライミングは面白いですよ。やってみませんか?」なんて声かけはもうやめようとも思った。
 山江の万江川渓谷に東秀磯が拓いた「風の歌を聴け 5.11b」というルートがある。さすがに東さんはお洒落なルート名をつけるなと登ったときに感心していたが、村上春樹30歳の時の処女作(不適切用語か?)が「風の歌を聴け」であることをこの本で知った。東さんもハルキストなのか。
写真は「2014年11月8日、風の歌~」を登るYさん。※私の写真はない。

外は雨だからといって、本ばかりも読んでいられない。
キッズで混む前にと「クライミングパーク菊南」に昼前から行った。
春からの蓄積疲労で体が不協和音を奏でていたが、丸々一週間もクライミングを休んだので調子はまずまずだった。
梅雨時でも登れるジムはやはり有難い。

写真はジムのインストラクターになれそうなあり吉さん。

日向神:乾期の歌RP

2017.6.18 日向神クライミング

  あそ望の会友が沢登りに行ってしまったので、山崎・原口組に同行した。今日の日向神は珍しく熊本県人の割合が高かった。

午前中はサンセットエリア下部
①エルニーニョ(5.11a) リピート
②セッコクランを盗らないで(5.11c) NG
③セッコクランを盗らないで(5.11c) RP
④プリティーウーマン (5.11a) リピート
⑤乾期の歌 (5.10d) NG
⑥乾期の歌 (5.10d) RP
午後は道端エリア
⑦グリコのおまけ (5.12a) NG
⑧花子 (5.11a) NG

まず①エルニーニョ(5.11a)でアップをするとまったくストレスなく登れた。梅雨に入ったというのに岩はカラカラに乾いていて、「今日は好調だな」と胸の中でつぶやいた。5月に疲労した背中もやっと癒えてきた。
そこで、以前からの課題として残っていた「セッコクランを盗らないで 5.11c」にねらいを定めた。このルートは上部がドーム状にふくらんでいてこのエリアの中では目立っている。
②のマスタートライは予想外に1Tでけっこう楽に行ってしまった。
2014年11月の初トライの時はかなり怖かった最後のクリップも「なくても行ける!」と思うぐらい足で乗れていた。
③でうれしいRP。

岩場自体が完全に乾ききっていたので、今まで手をつけていなかった一番左にある「乾期の歌 5.10d」に取り付いた。今日登らなければなかなかチャンスはないだろう。
下から見てルートは右か左かはっきりせず、⑤で思い切って登りはじめるとすぐにホールドが見えなくなってきた。しかたがないのでクライムダウンして登り返すと足がすべってしまった。けっこう傾斜があり面白い。
⑥では楽にレッドポイントできた。上部は乾いた苔で真っ黒くしている。このルートを登った人は少ないと思う。

【写真は本日のカメラマンをお願いしたかおりさんの「物見遊山 5.10d」トライ中】
この後、初夏の陽光が彼女をつつんだ。

 

 

 

 

サンセットの午後は西日が当たって大変なので道端エリアへ移動した。
還暦記念クライミングで赤いブランド物のTシャツを着た山崎さんが「グリコのおまけ 5.12a」にヌンチャクをかけられたので【写真】、有難く登らせてもらった。
今日が2回目のトライで、初めて終了点まで到達できた。上部はかなりの強傾斜なのでムーブ作りが大事だ。なんとかなりそうな気持ちは持てた。

 

 

最後に「花子 5.11a」に取り付いたら終了点のチェーンをつかんでしまった。なんとも歳をとると自分が疲れていることすら分からなくなるようだ。
私ももうすぐ還暦クライマーになってしまう。まだしばらくは白い靴下と白シャツが似合う男でありたい。

くじゅう山開きで交流登山

2017.6.4 くじゅう山開きハイク

6月4日(日)に福島県南相馬市の登山愛好家グループの方が久住山に登られるというのでガイド役を請けおった。同じような震災に見舞われた熊本と福島との交流が目的でもあった。
 ちょうどこの日は「くじゅう山開き」で牧ノ戸峠は何百台という車であふれていた。総勢50名ほどで峠を8時半に出発したのは少し遅い方で、おかげで混み合うこともなくミヤマキリシマを愛でながら歩くことができた。
【写真は福島の元気なお姉さん方と。 バックはもちろん久住本峰】
しかし頂上が近づくにつれて登山道は下通りの人ごみのようになってきた。あまりの人の多さに福島の方々も山開きの記念ペナントは諦めかけたころにちょうど上から係りの方が余りのペナントを手に持って下りてこられた。案内役としてはほっとしたところである。
天気にも恵まれ、山も花もきれいで福島の方々に九州の山を十分楽しんでいただけたと思う。一行は次の日に大きな被害を被った阿蘇西小学校の児童との交流を深められ、6月5日付けの熊日新聞でも大きく取り上げられた。
私も東北の早池峰山や岩手山、八甲田山はいつか登りにいくつもりである。

 熊本のスタッフはあそ望山岳会から5名、クレッテル・カメラードから2名、庵鹿川から1名、ボランティア2名(高校時代は山岳部だった)の10名である。

日向神:中央エリア

2017.6.10 日向神:中央エリア

初めての中央エリア。メンバーは空さん、あり吉さん、そして私の3人。
エリアの場所はサンセットへの登路の途中から右へトラバース気味に行った所。かわいい案内板がある。

①アンダーアッパー(5.10b) MOS(マスターオンサイト)
②逆層フェイス(5.10d) MOS
③パワーステース(5.10c) MOS
黒苔(5.11a)  MOS
⑤気難しい終了点(5.10c) OS
⑥ピッチングエッジ(5.10c) MOS
⑦八女茶のチャチャチャ(5.10a) リピート サンセット

今回、現地トポを見ながら登ると「逆層フェイス」と「パワーステース」が5.11a、「黒苔」が5.11bとなっており、一日でイレブン3本ゲットと喜んで帰った。
そして夜になって記録をまとめようと「K1ヒュッテ」からトポをダウンロードすると上記のようにグレードダウンしていた。
実際登っていてえらく甘いグレードだとは思っていた。

 
まだここは新しいエリアで、登っていると小石が時々落ちるのでビレイヤーはヘルメットが必携だ。
午前中は陽が当たり夏場は暑いが、午後は日陰になって登り易くなる。
【写真はピッチングエッジを登る私。撮影はあり吉さん】

注意点はボルトだ。アンカー部分はヒルティのグージョンタイプが多く、オールアンカータイプも見られる。ハンガー部分は鉄製のシャックルで初期の物はサビが出ている。慣れないので最初はマルチルートを登っているような感じで落ちられない。
【夏なので日焼け対策に白い長袖シャツで登る私。ビレイヤーは空さん。】

岩野山に久しぶりの1本

2017.6.3 岩野山ルート開拓・県体壁

今日は山三昧であった。

①岩野山駐車場の草刈
まだ草があまり大きくなっていないので、刈払い機のナイロンワイヤーで一気にきれいにできた。

②前傾壁 モンローウォーク(5.11a  B5   15m)開拓
 久しぶりの新ルート開拓である。下部は階段状でテラスから上の右上クラックの辺りが核心となる。当初はトップロープでもかなり難しく感じていてクリップ動作に入れず、リードルートとしての設定を諦めていた。しかし、福岡の女性クライマーのムーブからヒントを得て余裕を持って登れるようになったのでリードルートとして設定した。ビレイでは空さん、ヒロさんのお世話になった。【写真はトップロープでトライする空さん】
岩野山はクチナシの花が満開であった。

③あそ望山岳会の例会
例会は通常、県立体育館で行うのだが熊本地震の影響でまだ使えない。近くの公民館を使うのだが和室は狭くて使い辛い。夏ごろから体育館も使えるそうである。

④県体壁 右:黄緑ルート(5.11+)をRP
 この頃課題としていた黄緑が登れた。6便目である。岩野山のボルト打ちで疲れていたが明るいうちなので登りやすかった。県体壁での私のこれまでの最高グレードは5.11cだったので記録更新となった。