赤壁エリアに進出

2021.2.28(日) カニのハサミ岩 13

今日は八方ヶ岳俱楽部にす~さんが参加。
澤田・川津ペアは第2ルンゼにマルチルートの開拓に行ったので、す∼さんと二人で赤壁エリアに行った。
途中で錆びたハーケンを見つけた。

至る所に先人の足跡がある。

赤壁の岩頭に立つと、背後に広がる「カニのハサミ岩」全体の大きさに目が眩みそうになる。
比較的新しい(30数年前)アルミハンガールートの終了点をチェーンで補強してラッペルした。ちょうど20m。

①赤壁:Tr.試登
下部のホールドは大きいが、中間部は細かい。
2ヶ所ほどハングがあり、登れない所が1ヶ所あった。

②赤壁:Tr.試登

休み休みながら上まで通すことができた。
20mは長い。

③フェイクスラブ(5.11a) R(リピート)
す~さんのスラブトレーニング。

④プロローグ(5.11a) R(リピート)

これを初登したのがまだ今月の2月6日だった。
この岩場にも慣れて、相当易しく感じた。

下界は風の強い一日だったらしいが、この岩場は別天地で心地よい春風が吹いていた。

チムニールート「奥の院 Ⅳ+」完成

2021.2.27(土) カニのハサミ岩 12

昨日は雨だったが夜中のうちから風が吹き、岩場はよく乾いていた。一日中曇り空ではあったが、エントランス広場は風が当たらず登るのには何も支障がない。
メンバーは八方ヶ岳倶楽部の澤田、川津、そして私の3人。

①チムニーに終了点を設置
②奥の院の参道に足場を設置

写真は奥の院から外を見たところ。
ずっと頭上までクラックは伸びている。

③チムニールートを初登

この辺りからチムニーに入る。

入ってしまえば落ちることはない。
が、上がることも難しい。
奥の院 Ⅳ+ B3 10m 緒方」初登できた。

この後、澤田さんが第2登、川津さんが第3登された。

「これはもう、笑いながら登るしかない!」という感想をいただいた。
ロワーダウン時、外に出過ぎると中に向かって振られる。

④広場の右側にあるチムニーをTr.で試登

⑤「春風に吹かれて 5.11b」 リピート
2回目、いい感じで登れた。

⑥「remember  5.11a 」リピート
2回目、ちょっと難しく感じた。
グレードを上げてもいいぐらい。

⑦「宇土櫓 5.11b」 リピート
2回目、ムーブが面白い。

 

チムニー掃除3日目

2021.2.23(祝) 八方ヶ岳:カニのハサミ岩 11

今日は疲れた。
要因①
2月20日~21日の山行の疲れが残っていた。
特に、右肩の三角筋が筋肉痛になっていた。
要因②
ハサミ岩の北面周辺の岩場探索、約1時間の山歩き。
行ってみて「ここは以前にも来たことがあったな」と思った。
要因③
チムニーの大掃除と困難を極めたボルト打ち。
チムニーというか巨大なクラックなのだが、幅が平均30cmぐらいしかない。
一度入ると落ちる気はしないが、上がることも難しい。

メンバーは澤田さん、角町さん、スーさん、そして私。

①チムニーの掃除(3日目)
前後の壁には有史以来のカビやホコリがこびりついている。
今回はホコリ対策として「花粉対策メガネ」を準備した。

メガネ、帽子、フード付き上着、ヘルメットでいざ出陣。

これで110円はお得過ぎる。(№14)
チムニールート開拓者は絶対買うべき一品。


チムニーの内部にて。
ぶら下げているのは三角スコップ、ヨセミテハンマー、100均ワイヤーブラシ。これに膝ガードがあれば完璧か。

②チムニーをTr.で試登
グレードは5.7ぐらいか。
太っている方、脚が長い方には厳しくなるかも。

③フェイクスラブ(5.11a) リピート
飛び入り参加のスーさんと登った。

④飯田丸(5.10b) リピート
なかなか楽しめるおススメのルート。

⑤チムニーにボルト打ち
終了点と内部に3本打。
とにかくドリルとビットを壁に対して垂直にできる所が少なく、ハンマーも満足に振れず困難を極めた。

私自身チムニーといえば、双石山の象の墓場にあるチムニー、大観峰Ⅰエリアの「カイトが舞うチムニー」以外、登った覚えがない。
今、5.7と初心者でも楽しめる10m以上のチムニーなんて九州にあるのだろうか。
なんとか明るいうちに下山できた。

4本目は「春風に吹かれて 5.11b」

2021.2.20(日) カニのハサミ岩 10

昨日(2月19日)は寒かった。
軽い頭痛がするぐらいだった。
そんな中でもエントランス広場のプロジェクト②を試登、登れる可能性が出てきたのでボルトを打ち、今日を迎えた。

①終了点にチェーンを追加
その後は階段作り、フィックスロープ張り、チムニーの大掃除を行った。

久しぶりに引っ張り出してきたショートスパッツが非常に有効だった。
それでもチムニー内は埃が舞い上がり目に入って困難を極めた。
まだしばらくはかかりそうだ。

②トライ1
昨日のTr.による余裕のない登りでは無理。

③トライ2
やっと理想的なムーブ(手順)が分かった。
チムニー掃除の後遺症か太もも内側がつり始めたので、山本さんから「68 芍薬甘草湯」を戴いて服用。

④トライ3【完登】
腕もつり始めたがそこはなんとかごまかして、核心部は手順通りに進めて嬉しい完登。

【写真提供 山本さん】
ルート名は「芍薬甘草湯」にしようとも思ったが、今日は一日中心地よい春風が吹き、木漏れ日の中で気持ちよくクライミングができたので、
春風に吹かれて 5.11b B4 10m 緒方」とした。
ビレイは3回とも佐賀の友田さん。

このルートは昔のアルミハンガールートのリメイクになる。


原さんのTr.トライ。
クラックの右側にある白い部分が核心部。

【開拓の軌跡】
1月4日
Tr.で試登、クラックの部分から全く登れない。
2月20日
Tr.で試登、可能性が見えてきた。
下部にあった左から入るラインは「remember 5.11a」とホールドを共有するので、右から入るラインに設定して終了点1本、ボルト4本設置。
2月21日
終了点にチェーンを追加。
3回目で完登。


春の夕日もきれい。
左側の山は「岩野山」、自宅近くから。

悠々たる哉天壌、遼々たる哉古今・・・・

2021.2.19(金) 徒然 53

図書館で借りた「文豪のぼやき 山口謠司」の中で、久しぶりに旧制一高の学生、藤村操の遺書と再会した。

「悠々たる哉天壌、遼々たる哉古今
五尺の小躯を以てこの大をはからむとす
ホレーショの哲学、ついに何らのオーソリティーに価するものぞ
万有の真理は唯一言にして尽くす、曰く「不可解」
我この恨みを抱いて煩悶、終に死を決するに至る
既に巌頭に立つに及んで、胸中何等の不安あるなし
初めて知る、大なる悲観は大なる楽観に一致するを」

華厳の滝の近くのミズナラの木肌に残されていた「巌頭之感」である。
40数年前、当時19歳の私は、何の意味も考えぬまま受験勉強を怠惰に続けていた。それが誰に勧められた訳でもなく、自分で選んだ道ではあったが、まったくお先真っ暗な状態で何も考えないようでいてかなりのプレッシャーを感じていたようだ。
午前10時ごろになると決まって胃の辺りがしくしくと痛んだ。
「胃酸過多」と自分で判断して胃薬を飲んでいた。

そんなある日、私は人前で舞台に立つことがあった。
その時「何か面白い登場の仕方をやってみたら」ということで、唯一諳んじることができた上記の「巌頭之感」を声高らかに吟じながら登場した。
私は子どもの頃からの「緊張しい」で、この登場の仕方は極度のストレスを伴ったらしい。
その舞台の内容はすっかり忘れたが、出番が終わってからのステージ袖で私は腹の激痛に見舞われ、しばらく倒れたまま身動きができなかった。

その後の記憶はないが、いつのまにか胃が痛むことはなくなっていた。
後年、時々は人前に出ることがあってもちょっとトイレが近くなるくらいで胃が痛くなることはなくなった。
「おい、これ以上考え込んだり緊張したりすると胃が痛くなるぞ!」という防御信号がどこからか出て、頭が深く考え込まなくなったようなのである。
世の中には恋・仕事・家族・生活で悩み傷つき、メンタルを病む人は多いようだが私にはあまりそんな気配がない。
仕事仲間からは「どんなことがあっても動じない人」と目されることもあるくらいだ。
しかし実は身体が極度の緊張を嫌って、あまり深く考えない頭の構造にしたらしいのだ。
小学生の頃、リコーダーのテストで指先が震えていたり、場違いな児童会の立候補演説で頭が真っ白になり体育館のステージの上でがたがた震えていた私が懐かしいこともある。

40歳の頃、胃検診で胃カメラをのんだら「十二指腸潰瘍のひどい痕跡」が見つかった。


【本文とは無関係な写真】

ハサミ岩:3本目は「remember (5.11a)」と穴掘り

2021.2.14(日) カニのハサミ岩 9

朝になると天気予報は午後3時まで晴れ。
これは行かねばならない。
八方ヶ岳倶楽部のメンバーも当然参加。
岩場に着いて、荷物の整理をしていたらザックの中にクライミングシューズが入っていないことに気付いた(涙)

とりあえず、ボルトだけでも打とうとエントランス広場のプロジェクト①に上部支点からTr.を下げた。
「さあ、ボルトを打つぞ」
と思った時、ドリルを持ち上げていないことに気付いた(涙)

気を取り直しドリルを下げてラッペルのやり直し。
壁が薄かぶりで終了点の設置も難しい。

なんとか終了点、ボルトは打てた。
やはり今日のうちに初登をしたかったので、澤田さんの開拓用シューズを借りた。サイズはなんと29.5cm。

それでもぎりぎり初登はできた。

remember  5.11a   B3  6m 緒方」である。
ビレイは敦子ねえさん。
もともとこのラインはトップロープで登られていて、3m地点にRCCボルトが1本だけあった。
下から見上げて「あのボルトは何だろう?」と考えていた。
昨日、上から下がって試登してみるとボルトの存在意味はすぐに分かった。つまり、かぶった壁特有の「ふられ防止用ボルト」だったのだ。
30数年前の先人はラインの上部が登れずルート化はしなかったのだろう。今回は下部だけの短いルートになったが、先人の思いを汲んだルート名にした。

午後は穴掘りに没頭。
この作業は初期に目をつけたチムニーを登ろうとして、その先に古墳にある玄室状の空間を発見したことに因る。
奥の玄室につながる羨道(えんどう)部分は数百年分の腐葉土と落石で埋まっていて、上部は狭く立つことができない。
外の気温は20度近く、穴を這って進むと息が白くなる。風穴?
簡易つるはしを使って土石を背後にどんどん送る。
最難関の数10㎏の折り重なった岩は「てこ」を使って除去した。
身動きすら難しい狭いトンネルの中で大きな岩が転がるのはかなり危険でもあった。

チムニーは頭上までのびて、午後の太陽光が差し込み非常に明るい。ピラミッドの玄室にある時期、ある時間に陽が差すようなものだ。
そして遂に墓泥棒か炭鉱夫になり切っていた私は奥の広い空間に達したのである。
高さはかなりあって奥もまだあるがもう光が差さず、ヘッドライトが要る。
日向神開拓団のタケシさんから「八方ヶ岳で事故がないように安全祈願をしておいたほうがいい」と言われていたので今日はお神酒と米を持参してきた。

お神酒は昨年末にSatoさんから頂いた「若竹酒造のNUDY」である。

 

 

菊鹿町の石像巡り

2021.2.13(土) ロードスター 26

カニのハサミ岩での開拓が小雨で早じまいしたので、いつもは素通りしている菊鹿町を探索してみた。
最初は「岩場」を探して、素晴らしいルーフなどを見つけることができた。これは老後の楽しみに取っておこう。
次に「春」を探し、最後は「石像」となった。

今日は小雨模様ながら気温は20度近くまで上がり、梅の花がいたる所で観られた。

土地の神様が祭ってあった。
菊池地方では田の近くで見ることがある。
こんなに大きいものは初めてだ。

菊鹿中学校の近くで見事な六地蔵を見つけた。

6人のお地蔵様はみんな笑顔だった。
地域の人々にも大切にされているようだ。
他にも道路端でお地蔵様を何体も見かけたが、どれも「廃仏毀釈」に因ってお顔や頭部が砕かれていた。

近くの公園でこれも立派な石像を見つけた。

「鳥居を背負う天部形仏神」である。
解説によると、本尊は「弁財天」で、神仏習合された地域の神様らしく、約250年前なので割と新しい。

上内田川ではコガモを見つけた。

17:40頃、自宅の近くからは雲仙岳が見えた。
だいぶん陽が長くなってきた。

八方ヶ岳倶楽部、発足

2021.2.13(土) 八方ヶ岳:カニのハサミ岩 8

本日、八方ヶ岳倶楽部の初山行が行われた。
この会は八方ヶ岳でクライミングルートの開拓・整備を行う有志の集まりである。
メンバーは澤田、川津、緒方の3人。
「3人寄れば山岳会」なんて文言を知っている人はもう少ないだろう。今のところこの3人で開拓という至福の時間を共有している。

今日の私は一人でエントランス広場のプロジェクト①にTr.をかけて試登した。
澤田・川津のペアはマルチルートの開拓へ。

下の写真は先人が設置したTr.の上部支点。
左はアルミハンガーで右は鉄のアイボルト。

以前に澤田さんが1本、今日私が1本打ち足した。
なんとか一人でも登れたが、ロープが壁から1mほど離れるため降りるのにもかなり苦労した。

赤い点線より上は登れないので、下部だけの短いルートに設定するつもりだ。

さっそく終了点やボルトを打とうと思ったが、小雨が降り出して断念した。

楽しみは来週までとっておこう。
午後、キーボウさんがFix用にとロープを持って上がって来られた。有難いことである。

カニのハサミ岩 2本目は宇土櫓(5.11b)

2021.2.11(祝) 八方ヶ岳:カニのハサミ岩 7

今日の予定は、「飯田丸 5.10b」の左側にバリエーションルートを拓く。うまくいけば2本できるかもしれないと今週はわくわくが止まらなかった。

①上部からのラッペルで掃除。
②Tr.(ソロ)で試登。思ったより厳しい。
③Tr.(ソロ)で試登、ボルト位置決め。
④ボルト3本設置。
昼食。今日もボッチ飯だった。

その後、木こりや穴掘り(?)作業に没頭。
2ルンゼで単独開拓されていた澤田さんが下りてこられた。

⑤「宇土櫓 5.11b B7 緒方」マスターで初登。

4ピン目からは「飯田丸」ルートになる。終了点も同じ。
体がうまく動き、意外にすんなりと登れたので5.11aにしようかと思った。

澤田さんが第2登を狙ってトライ。
右上のカンテ取りが難しい。

⑥宇土櫓 NG
QD回収では気合が入らず。
⑦宇土櫓 NG
もう疲れたのか。ムーブを起こすことが難しい。
オンサイトはかなり難しいとみて、5.11bにした。

2月になり、日暮れが遅くなってきた。
帰りに泗水町田島の「六地蔵」を見に寄った。

かなり大きく立派なものだが、地蔵様はきれいに砕き落とされている。
明治時代の「廃仏毀釈」に因るものだろう。
地蔵様がいないのに「六地蔵」はない。
地域の人が壊したのならば、地域の人が再建すべきではないか。

一人の山

2021.2.7(日) カニのハサミ岩 6

今日のカニのハサミ岩は、澤田さんらが奥のエリアで開拓されていたのでほぼ単独だった。

プロジェクト№2はRCCボルトラインのリボルトだ。

しかし、残念ながらTr.でやってみても上部がまったく登れない。
「これを使って登るのだろう」というホールドすら分からない。「登れないのでリボルトもしない」が、午前中の結論。

お昼はボッチ飯。

冬場の定番「井村屋のしるこ」とおにぎりなど。

午後は登れそうなライン探し。

目立つ岩頭には大抵先人の遺構がある。
岩の特性からか登れない所が多い。

学生時代に「一人の山」という歌を習った。

一、山にあこがれ 山に行き 言葉少なに ただ歩む
二、一人寂しく たたずめば タバコの煙 ただ一筋
三、恋に破れて 夢も破れ 夕日静かに 山に沈む
四、雪渓すべりて 岩場を登り ふれる岩肌の 冷たさよ

ネットで調べると、「作詞・作曲 持摩公英」とあった。
たまには一人の山もいい。

駐車場まで下りると、車が遅いご主人様の帰りを静かに待っていてくれた。