お風呂の思い出

2021.6.1(火) 徒然 57

6月を迎え、暑くなると疲労感も高まり帰宅後のお風呂が一番の楽しみになる。
ところで、入浴は非常にプライベートなことであり、家族ごとの文化があり、何かとカルチャーショックを受けやすいものである。
そんなお風呂での思い出を3つ紹介したい。

【本文とは関係のない写真】

①スターの入浴法
もう50年ほど前のことである。
テレビ番組で「スターのお風呂紹介」的な番組があった。
そのスターの自宅は都会の一等地にあり、なんとお風呂は2階にあって天井はガラス張りだった。
まあしかし、この程度は昔でも驚くにあたらない。
そのスターは、カメラの前でこう言った。
「寒い冬は、湯舟のお湯を床にぱーっと撒いてお風呂場を温めます」と。
えっ、まだ誰も入っていないきれいなお湯をパーッとまく?
当時の私にとっては、それはすごい贅沢にも思えたしすごい無駄遣いにも思えた。
さすがに都会のスターはちがうな、と思った。
今ではヒートショックを防ぐためにお湯を撒く方法は常識化しているようだ。

②知人宅のお風呂場
もう30年ほど前のことである。
新築の知人宅に寄ったら、お風呂に入るよう勧められた。
ちょうど仕事帰りで汗をかいていたからかもしれない。
きれいなお風呂場に入ったら、壁に真新しいナイロンたわしが3本かかっていた。
その家は夫婦と小学校6年生の女の子がいた。
ナイロンたわしは「桃、青、黄」の色違いが3本。
当時私は5人家族だったがナイロンたわしは1本だった。
この家は3人で3本。
どの色のたわしを使ったかは覚えていない。

③足の裏
もう20年ほども前のことである。
私はよく家人と一緒にお風呂に入っていた。
ある日、家人は言った。
「あなたは、足の裏を洗わないの?」と。
えっ、足の裏って洗うのか?!
言われて初めて私は足の裏を洗わずに湯舟に入っていたことに気付いた。
もちろん、くるぶしや足の指の間など汚れそうな所はしっかり洗っていた。しかし、足の裏を洗う習慣はなかった。
子どもの頃いつも一緒に入っていた家族の誰もが足の裏は洗っていなかったと思う。
家人はいつの頃からか「この人は足の裏を洗わない人」という目で見ていたのだろう。
しかし、40年間洗ったことのない私の足の裏はとても柔らかくきれいで、ずっと洗い続けてきたであろう家人の足の裏は角質化してとても硬かった。

他にも「湯舟には右足から入る」と決めている人に会ったことなどいろいろあるが、上記の3つの話は何故か私の心に深く残っているものである。
ちなみに、私の高校時代の夢は「シャワーのある家に住むこと」だった。
私の夢はかなった。