「ニホンザル」タグアーカイブ

教科書は進化している

2022.5.6(金) 徒然 82

小学校1年生の孫の算数の教科書を見ていたら、見覚えのあるイラストがあった。

【啓林館 小1算数 p110 】

これはこのブログのアーカイブ、2021.12.10「徒然75」で紹介した許せないイラストの今日版ではないか。
以前のイラスト(20年前?)はこれ。

この突っ込み所満載の話はアーカイブを参照して欲しいが、
一番の問題点である「ニホンザルの長い尾」が今日版ではなくなっている。
教科書会社も「ひきざん」の問題に全く関係ないサルの尻尾だが、どこからかクレームがついて修正したのだろう。
これで孫たちが「ニホンザルのしっぽは長いよ」などと間違うことも減るだろう。

しかし、私はこの教科書をめくっていたらこんなイラストを見つけたのだ。

【啓林館 小1算数 p48 】
これ、ニホンザルに長い尻尾が付いているぞ!

ネットで探すとこんなイラストはどこにでもある。

【ネットからの無断転載】
ニホンザルの長い尻尾を訴える運動は私のライフワークになりつつある。

智に働けば角が立つ

2020.3.14(土) 徒然 37 (「草枕」の小旅)

3月11日(水)、熊本市の西方、金峰山に登った。
休日のお出かけは新型コロナウイルス対策でここはやはりマチじゃなくて山だろう。
鳥居のある登山口から「さるすべり」と呼ばれる急坂を登ると、ほどなく案内板があった。

実に詳しい情報満載の立派な看板だが、「あれっ?」と思う。
おサルさんのイラストに長いしっぽがあるではないか。
ここ金峰山でサルを見たことはないが、もしいるとすれば当然「ニホンザル」だ。ニホンザルにはこんな長いしっぽはない。
下の漫画は巨匠:白戸三平著「カムイ伝:第1巻」に登場するニホンザルである。
当たり前だが尾は短い。

念のためにネットで「ニホンザル・イラスト」で検索したら10分の1ぐらいでしっぽの長いニホンザルが出てきた。どういうことだろうか。

多分、看板を作った人は「サルに長い尾は付き物だろう」と思っていたのだろう。(無知)
そして、後でおかしいと気づいた人も「まあ、しっぽなんてどうでもいいや」と思ったのだろう。(厚顔)
更に、誰かがしっぽの事を指摘すると「そんなこと気にしてどうすんの! 了見の小さい人ね」と怒るかもしれない。(逆ギレ)

「山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」
おなじみ、夏目漱石「草枕」の冒頭部分だ。
サルのしっぽにこだわって人と争うつもりはないが、無知の人は許せても「そんなこと気にしてどうすんの!」という人とは友だちになれそうにない。

このあと、「草枕温泉」に入ろうと思って車を走らせると、なんと定休日だった。

【追記 1】
「さるすべり」の途中の看板の順番が違っていたのも気になるなあ。本当に雑。
【追記 2】
ニホンザルはオナガザル科に属している。説明に「二次的に短くなった」とあった。
二次的とはいかなることか?
もしかして「ふるやのもり」の昔話に由来しているのかもしれない。このお話より以前のニホンザルはしっぽが長かったらしいから。