「カニのハサミ岩」カテゴリーアーカイブ

カニのハサミ岩:ロクスノ取材に同行

2022.5.4(祝) カニのハサミ岩 56

昨日から「ROCK&SNOW」の取材で山岳ガイドの松原さんと萩原さんがカニのハサミ岩に来られていた。
今日は開拓に携わった八方ヶ岳倶楽部の澤田・川津・緒方の3人と一緒にマルチルートを登り、午後はショートルートを登った。

松原さんたちは「ドミノライン」、私たちは隣の「ダートライン」を登った。

① ダートライン(5.10c 7P)
1P目(5.10c 緒方)

1P目だけは2回目のリード。1回目はインサイドクライミングをして背中に擦り傷を負った。今日は澤田さんのアドバイスでステミング登りをしたが、これもなかなかのムーブだった。
2P目(5.7 緒方)
ここは繋ぎ区間でブッシュが多い。
3P目(5.10a   緒方)

大きくフレアーしたクラックでホールドが少なくバランスも悪い。落ちる気はしないが苦労するピッチ。


【隣のドミノラインを登る松原さん】
5.9ぐらいのフェースならボルトは3本に1本ぐらいしか使われない。
4~7P目(5.8 川津リード)

去年の5月3日以来、2回目の山頂。

お天気良し、ルート良し。

【私・澤田・川津】 松原さん撮影
岩場の基部を下って第2ルンゼで昼食。
下る途中にショートルートが増えていた。

② カエル王子(5.11c) NG

2021年10月24日の初登以来、約半年ぶりのトライ。


う~ん、核心部で体幹の弱さを痛感。
レイバック態勢に入れない。

松原さんは2回目にRP。
たぶん第2登だろう。
僅か4ピンでこの内容、★一つをもらった。

③ ここでトラバース(5.11b) NG

1年前の初登時は「ミウラ」ではなく「クワンタム」だった。
見ると松原さんはクワンタムを履いている。

今日は他に鹿児島から3人来られていた。
秋ごろの「ROCK&SNOW」に今日の記事が載るだろう。

八方ヶ岳 生き物図鑑

2022.1.9(日) カニのハサミ岩 55

2021(令和3)年は八方ヶ岳:カニのハサミ岩に54回足を運んだ。
その途中で多くの生き物と出会うことができた。
用心深い哺乳類はフィールドサインだけだが、八方ヶ岳の森の豊かさを感じた。
今回は「昆虫以外」でまとめてみた。

①オタマジャクシ

砂防ダムの上に数百匹いた。
結局、大きくなった姿を見ていないので種類は不明。
右の方に1匹、柄違いのものがいる。

②イモリ

同じ水たまりに数匹いた。オタマジャクシとは共存している感じだった。

③ジムグリ

このヘビには違う場所で3回ほど出会った。
すぐ地面にもぐるので見つけにくい。

④ヤマカガシ

これは小さくてかわいい。
一応、毒を持っているらしい。

⑤タヌキ

一人で静かに歩くとこんな出会いもある。

⑥ウサギの糞

⑦イノシシの足跡

この足跡は新しい。
廃道の脇はいつもイノシシに掘り返されている。

⑧ヤマナメクジ

ペットボトルのキャップより相当大きい。

⑨ダニ

ダニは節足動物である。
1匹だけいた。

⑩スズメバチの巣

ハチは昆虫だが、これは特別収録。
砂防ダム登山口の近くにある。
岩場では見つかっていない。

ハサミ岩から新年のご挨拶

2022.1.1(土) カニのハサミ岩 54

新年明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします

午前0時、TVでは長野:善光寺で氷点下の凍てつく中でも熱心にお参りする人々が映し出されていた。
それをレポートする人、カメラで撮る人、そして見る人。
いろいろな人々がいて、いつもの日本のお正月が戻りつつあることを感じた。
私はといえば、ストレッチをしながら新年を迎えた。

例年の元日は「旭志元旦マラソン大会」を走って、家族の年始なのだが、父が介護施設に入所したりコロナ禍で大会が中止になったりしてぽっかりと暇になった。
そこに女性2人が元日から「カニのハサミ岩」で登るというので、案内がてら出かけてみた。

山に行く前に、地元の八幡宮と納骨堂、お寺でお参りを済ませた。
昨年は実に平和であったが、今年はいろいろと神様・仏さま・ご先祖様にお願いすることが多い。

今日の「カニのハサミ岩」でのお目当ては、12月19日に澤田さんが開拓・初登された「ガバたちのさえずり 5.10b」を登ることである。

実は開拓時にTr.で試登していたのでOSにはならないが、1回で登ることができた。変化に富んで面白いルートだった。

女性陣も奮闘、出だしのクラックがけっこう難しい。


午前中にはあったツララも午後にはすっかり無くなった。
岩場は南面で無風、とても登りやすい。


私はTr.で「宇土櫓 5.11a」にトライしたが今の実力ではとても登れそうになかった。


盛り塩で安全祈願。
今年もハサミ岩で事故が起こりませんように。


帰りの林道でセルフポートレート。


上内田神社にて。
尾根の上に「カニのハサミ岩」が見える。
近くにある「相良観音」への道は初詣の車がたくさん行き交っていた。

カニのハサミ岩:スラブの5.10b初登

2021.11.14(日) カニのハサミ岩 53

朝は一人だったので、ムベ採りに精を出した。

今度こそ、最後かもしれない。

第3ルンゼエリア、秋岩下部のプロジェクトにボルトを打っていたら、す~さん、澤田さん、川津さんと揃った。

ムベ 5.10b B3 8m 緒方一成初登
見た目は易しく見えるが、スタートは手ごたえがある。
マルチの下山路で、リードをやり足らない人にお勧め。
※昨日、ルート名を「アケビ」と命名したが、一日で改名しました。

その後は秋岩にTr.でトライ。

右カンテにトライするす~さん。
正面も左のカンテも、どれも厳しい。
「このくらいの傾斜は登れそう」と思うが、とにかくホールドが乏しい。足置きの練習になる。

帰りながら赤壁「タラの芽の頃 5.11a」を登った。

最後は「貫通カンテ 5.10b」を登った。
もうイレブンを5~6本登ったす~さんでもこのカンテには手古摺った。このカンテは少しグレードを上げようかと思う。


昨日、我が家の富有柿をもいだ。
今日、ハサミ岩に登りに来た人に配ろうと車に積んでいたが、私とす~さんが下りてきたのが夕暮れ時だったので、たくさん余った。
明日、職場で配ろう。

秋のロドキャン&クライミング

2021.11.6(土)~7(日) 
ロドキャン8,カニのハサミ岩52、日向神132

11月6日(土)
熊本の大津、菊池、山鹿では雨が降ったようだが八方ヶ岳:カニのハサミ岩はまったく降らなかった。
私たちはついている。
澤田・川津・緒方の八方ヶ岳倶楽部は第3ルンゼ周辺でそれぞれの仕事に勤しんだ。
派手な音を立てて浮石を落としたり、頭上から真っ赤な葉がハラハラと落ちるのを払ったりしながら秋の一日は過ぎて行った。

【秋岩の下部 試登】


【澤田さんが整備中のラインを試登】

夕方から「岳間渓谷キャンプ場」へ。
あそ望山岳会:焚火の会(マミリン、ミー子、ユジン、す~、いっせい)に参加。

里芋の酢味噌よごし、アヒージョ、焼き鳥などを食べながら焚火を囲み、夜は更けていく。


人は焚火の炎とおでんで癒される。
私は缶チューハイ1本で山の歌を3曲披露。
せっかく狭いロードスターにダンロップテントを積んできたので、テントを立てて熟睡。
【振り返り】
今回のロドキャンは寒さ対策をしっかりしていて、また気候的にも晴れている割に寒くもなかったのでほとんど問題点はなかった。
問題を一つ上げれば、樹林帯の中のキャンプ場だったので「車への落ち葉」である。
ロードスターの場合、幌と車体の隙間に小さな葉が入るのはどうもよろしくない。
対策としては、動画で「タープを張る」ものを見たが、荷物は増えるしちょっと大げさなので、落ち葉のない所に停めるのが現実的か。
または、ハーフタイプのカバーを購入するか。

11月7日(日)
朝は炊き立ての白いご飯と味噌汁、柿、そしてコーヒー。
岳間キャンプ場から星原峠を越えて日向神までは約30分。
今日はあそ望山岳会の例会山行。
サンセットエリアに会友が集った。

①登攀の歌(5.9) R(リピート)
アップがてらキャンプ飯のお礼にトップロープをかけた。

②梅雨のあとさき(5.10a) R(リピート)
キャンプ飯のお礼にトップロープをかけた。

③八重蔵(5.11c) R(リピート)
ぎりぎりであったが本日会心の1本。
日向神倶楽部でリボルトがなされている。

④プリティウーマン(5.11a) NG
相変わらず厳しいルート。

⑤赤い実のヤマボウシ(5.11a) R(リピート)

今日はロープがすだれのように下がっている。

⑥テラスへアップ(5.11a) R(リピート)
す~さんはこれをオンサイトとは、凄すぎでしょ!
アヒージョのニンニクパワーかな。

⑦プリティウーマン(5.11a) R(リピート)

ここに来たら1回は登らないといけない。
自分の力を計る試金石。

⑧八女茶のチャチャチャ(5.10a) R(リピート)
最後の回収は「トリカワ2本分」ぐらいかな。


今日の参加者。


久しぶりに訪れた日向神はすっかり秋が深まっていた。

ハサミ岩:「よか、クラック」開拓・初登

2021.11.3(祝) カニのハサミ岩 51

文化の日の朝は外気温11度、絶好のオープンドライブ日和だ。
砂防ダム登山口から八方ヶ岳倶楽部の澤田さんと二人で歩き始める。
先行するいつもの鹿児島の方々は歩くのが速い。

今日はショートエリアの最新版トポ2種を岩場に設置した。

一緒に下がっているスリングは落とし物。
(私が預かっているので声をかけてください)

また、クライマーの交流の場として、「カニのハサミ岩ノート」をプラスチックビンに入れてエントランス広場に置いた。

挨拶、記録、気づきなど、何でも書かれて結構。

今日も第3ルンゼエリア「秋岩」の掃除と試登。

周りの灌木を切ったので大岩が見えるようになった。
しかし、中央のカンテも左側の垂壁も今の私には登れない。

午後は先日から掃除をしていたクラックを初登した。

よかクラック 5.6 8m 緒方」とした。
クラックのすぐ横に地面があるので、当初は「ボルダー」のルートにしようと思った。
しかし、ハサミ岩でボルダリングをする人はほとんどおらず、マルチルートを登るためにカムを腰に下げている人は多い。
せっかくなので、マルチルートの帰りにカムを使う練習をされてはどうだろう。
私は40年前の「棒フレンズ」の2番と3番を使って初登した。
カムの回収は地面から手が届く。
ビレイヤー・カメラマンは澤田さん。
将来的には澤田さんが拓いているマルチルートの1ピッチ目に組み込まれるかもしれない。

午後は遅くやってきたすーさんに手伝ってもらって、秋岩下部の掃除・キコリをした。
手頃なショートルートが出来そうである。
すーさんは帰りがけに「フェイクスラブ 5.11a」をRP。
日頃の精進が着実に実っている。


秋岩の横の大木。見事な黄葉である。
実は、今日の一番の目標はこの写真を撮ることだった。

カニのハサミ岩:ショートルートの最新版トポ

2021.11.1(月) カニのハサミ岩 50

八方ヶ岳:カニのハサミ岩もずいぶん知名度が上がってきて、休日ともなれば10名以上のクライマーが訪れるようになった。
その多くは九州北部にはなかなか見当たらない「マルチルート」がお目当てである。
しかし、もうSさんご夫婦のようにマルチルートをコンプリートされた方も出てきた。
そろそろショートルートも賑わう時を迎えそうである。

そこで、「K1  HUT」に掲載されたトポ(2021.4月)もだいぶん古くなってきたので、最新のトポを発表したい。

① エントランス広場~赤壁エリア

② 第2ルンゼ エリア

これらのトポは、ラミネートして現地に下げておきたいと思う。

また、先日はSatoさんからルート開拓用にと安全環付カラビナを2個頂いた。ほんとうに有難いことである。
皆さんのお手持ちの、短くなって使い辛いロープや、ほとんど使わないカラビナなどを寄付していただけると岩場自体がより快適で安全になると思うところである。

ハサミ岩:ちょっと不調

2021.10.31(日) カニのハサミ岩 49

衆議院選挙に行ったりして、ゆっくり登山口に着くと車を停めるスペースがないほどクライマーで賑わっている。


砂防ダムコースからのアプローチで、振り返ると山は紅葉が深まっていた。

ところで、この頃どうも不調である。
10月中旬に行った本匠の少し前から腰が良くない。
そこを本匠で痛めて、その後整体院に3回通った。
軽い「ぎっくり腰」かもしれない。

昨日は山友さんと話しながら上を向いたらふらっとして、まったく踏ん張れずに後ろに倒れてしまった。
体重が大人になって最低ラインにもなっている。

【謎の怪人】

まあ人間、いつもいつも調子がいいことはなかろう。
体が疲れて「少し休め」と言っているのだろうが、天気の良い休日に山に行かないとメンタル的に良くない。

先日から第3ルンゼ手前の岩を掃除している。

見た目は手頃な岩だが、初めてのTr.では中間部から登れなかった。
登っている時に腰は痛くないが、指先に力がこもらない。
そこで今日は周りの灌木のキコリや苔落としに精を出した。
「花も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」とは誰の言葉だろうか。


ナッツでも食べて、体重だけは落ちないようにしよう。

ハサミ岩:カエル王子(5.11c)開拓・初登

2021.10.24(日) カニのハサミ岩 48

本日、懸案だった第2ルンゼ:中央部のプロジェクトが完成した。
合計5日間かけた、今までで一番テクニカルなルートだろう。
回りを岩に囲まれた所で、一見すると傾斜も緩く登りやすそうにみえるのだが、取り付いてみると意外と傾斜がきつい。
そして、ホールドが分かりにくい。

①5月30日
左の「ドミノライン」を登ってTr.(トップロープ)を下げた。
掃除と試登。

2ピン目手前、もう行き詰っている。


上部のフレーク(クラック)掃除。まったく持てない。

この後、約5か月間放置した。
訳は、南面で暑すぎる、トップロープが架けにくい、そして何と言っても登れそうにないから。

②10月10日
夏の間の大きなプロジェクト「久米の仙人」が終わったのでまたやることにした。

ドミノラインを登るSさんご夫婦のラストで登りTr.を下げた。
一人で掃除と試登、5月より登れない。

③10月12日
残していたTr.で一人で登る。
フレークの入り方は掴めたが、上部が持てない。
ボルト位置は決まってきた。「5.12かも?」

④10月23日
残していたTr.で一人で登る。
最上部(核心)のムーブが見つかった。
Tr.ながらMさんのビレイで上まで抜けた。

⑤10月24日(本日)
澤田さんのビレイでTr.で登るが、1テン入る。
ドリル道具を吊り上げて終了点、ボルト4本を設置。
マスターリード、1本目で完登。
ビレイヤーは澤田さん。


カエル王子 5.11c B4 10m 緒方一成」とした。


横から見るとけっこう傾斜がある。
もう少しグレードが高いような気もするが、腰が本調子ではない今の状態で登れたことと、10mと短く迫力もないからこのぐらいか。
登られた方からグレードの意見は聴きたい。

午後は第3ルンゼで新しいラインの掃除を軽くやって早仕舞い。
楽しみは取っておこう。

台(うてな)の横穴群や七城のコスモス畑を見ながら帰った。

ハサミ岩の秋

2021.10.23(土) カニのハサミ岩 47

朝の外気温13度。
秋晴れの中、オープンドライブ日和。

一人で第2ルンゼのプロジェクトにぶら下がっていたら旧知のMさんら3人がドミノラインを登りに来られた。
トップの方が登られている間に私のTr.をビレイしていただいた。
先週の本匠で腰を痛めて力が入らないかと思ったら、逆に石灰岩で鍛われて体が動いた。
あんなに苦労していた上部があっさり登れたので今日のノルマは終了。

ボルト4本は明日打とう。

午後は岩場探索。

楽しそうな右上クラック。

車に乗って別の岩場にも行ってみた。

お~、こんな所にもRCCボルトがある。
先人の開拓魂は尽きることがない。

カニのハサミ岩も秋が深まってきた。

【フユイチゴ】


【アザミにとまるアカタテハ】
このチョウは成虫で冬を越すそうである。


【アケビの実】
実にこれが今年は最初で最後ではなかろうか。